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上下配置デュアルモニターを1年半使ってわかったメリットとデメリット

ディスプレイ
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デュアルモニターはDTMをはじめとするPC作業の効率を向上させる重要なツールです。一般的には左右に並べる方法が主流ですが、上下に配置するスタイルを採用している人も少なくありません。

僕はもともと左右に配置していましたが、上下に配置している人を見かけ「便利そうだな」と感じたのがきっかけで試してみました。実際に1年半使用した結果、上下配置にするメリット・デメリット、左右配置との違いが明確になったので、その体験を詳しく解説していきます。

当ブログはDTMに関する情報を発信しているため、主にDTMに沿った内容で書いています。しかしディスプレイの配置方法に関してはそれ以外のPC作業にも共通する点が多いと思います。もしDTMをするわけではないけど上下配置が気になる!という方もぜひ参考にしてみてください。

DTMに最適?モニターを上下配置するメリット

デュアルモニターを導入する際、避けて通れないのが配置方法です。一般的には左右に並べるスタイルが主流ですが、DTMをしている人の間では上下配置を推奨する声も多くあります。

ひとつ
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僕もそれを聞いたり見たりして気になったから実際に試してみたよ!

モニターを上下配置にすることで感じられた主なメリットは、作業効率の向上・身体的な負担の軽減・デスクスペースの有効活用の3つです。

DTMでは、上部にトラック画面、下部にミキサー画面を配置するレイアウトが一般的です。デュアルモニターを上下に並べることで、このレイアウトを維持したまま作業領域を拡張できます。また、左右配置に比べて首を大きく動かす必要がなく、視線の移動がスムーズになり、目や首への負担を軽減できるのも大きな利点です。

さらにデスクスペースを有効活用できるのも魅力のひとつです。左右配置の場合、横幅を2枚分取る必要がありますが、上下配置なら1枚分のスペースで済むため、省スペース化が可能です。

僕は以前、1年間ほど左右配置で運用していましたが、視線移動の負担やスペースの問題に不満を感じ、思い切って上下配置に変更しました。その結果、1年半使ってみて「上下配置にして正解だった」と実感しています。

しかし、デメリットがないわけではありません。次項では、左右配置と上下配置の両方を試したうえで感じた違いや、それぞれの使用感について詳しく解説していきます。

左右配置と比較した実際の使用感

デュアルモニターの左右配置と上下配置で大きく違いを感じた点は以下の3点です。

  1. 作業効率と身体的な負担
  2. モニターの配置スペース
  3. 設置の難易度

上記3点に重点を置き、左右配置と上下配置での比較を見ていきます。

作業効率と身体的な負担

作業効率と身体的な負担:左右配置 < 上下配置

作業効率と身体的な負担の少なさを考えると、上下配置の方が優れていると感じました。

DAWの設計上、トラックは上部、ミキサーは下部に配置されることが一般的です。通常、1つのモニターを上下に分割して表示しますが、デュアルモニターを上下に配置することで、1画面にトラック、もう1画面にミキサーをフル画面で表示できるようになります。こうなるとプラグインを表示させてもあまり邪魔に感じません。

もちろん、左右配置でも1画面に比べて作業領域が広がるため、作業効率は向上します。しかし、トラックが左、ミキサーが右という配置になるため、上下配置と比較すると視線や首の移動が増えるのがデメリットです。毎日の作業でこれが積み重なると、結果的に身体的な負担が増し、作業効率の低下につながります。

実際に上下配置へ移行してから、肩こりや首の痛みが大幅に軽減されました。これは体がモニターに対して常に正面を向いた状態で作業できるおかげだと思います。長時間のDTM作業を快適に続けるためにも、上下配置は有力な選択肢だと感じています。

モニター配置のスペース

モニター配置のスペース:左右配置 <<< 上下配置

僕が感じた上下配置の最大のメリットは、省スペースで設置できる点です。全く同じサイズのモニターを2枚置く場合、左右配置と比べて単純に設置スペースが半分で済みます。

一般的なデスクの幅は120cmと言われています。僕が使用している27インチフルHDモニター(幅60cm)と、29インチウルトラワイドモニター(幅69cm)を左右に並べると、合計129cmとなりデスクの幅を超えてしまいます。こうなるとモニタースピーカーをデスク上に設置できず、別途スピーカースタンドを用意する必要が出てきます。

一方で、僕のデスクは幅180cmと広めなので、左右配置でもスピーカーの設置スペース自体は確保できます。しかし、リスニングポイントを考慮すると、正しい音響バランスを得るためにはおそらく奥行きが約120cm以上必要になります。しかし僕のデスクの奥行きは80cmしかないため、左右配置では適切なリスニング環境の構築が難しくなります。

その点、上下配置であれば必要な横幅はウルトラワイドモニターの69cmのみです。スピーカーをデスク上に適切に配置しながら、正しいリスニングポイントを確保することができます。限られたデスクスペースを有効活用するうえでも、上下配置は非常に合理的な選択肢と言えるでしょう。

設置の難易度

配置の難易度:左右配置 >>> 上下配置

デュアルモニターの設置において、左右配置の方が圧倒的に難易度が低いです。言い換えると上下配置は割と面倒です。

左右配置の場合は基本的には付属のスタンドを使って並べるだけで良いので、特別な機材や工具は必要ありません。デスクの広ささえ確保できれば、購入したその日から簡単に設置できます。

一方で、上下配置にはモニターアームが必須になります。モニターを積み重ねる形になるため、スタンドのままでは設置が難しく、上下モニターをしっかり固定できるモニターアームを用意しなければなりません。また、耐荷重や固定方法の確認、ネジの取り付けなどの作業も発生するため、設置に手間と時間がかかります。

さらに、モニターアームを使う場合はデスクの天板の強度にも注意が必要です。モニターアームを使用した設置方法は重心が一点に集中しやすく、特に天板が薄いデスクではたわみやすくなります。天板の強度が不足していると、アームの固定部分が沈み込んだり、最悪の場合デスクが落下・破損するリスクもあります。そのため、デスクの耐荷重を確認したり、補強を行ったりする対策が求められます。

このように、設置のしやすさを重視するなら左右配置の方が手軽です。上下配置を選ぶ場合は、モニターアームの選定だけでなく、モニターアームの選定も必須です。その他デスクの強度や重心のかかり方にも気を配ることが重要になります。

上下配置をおすすめできる人・できない人

左右配置と上下配置、それぞれ実際の使用感について解説してきました。ここまでの内容を踏まえ、どのような方に上下配置が適しているのか、また逆にどのような方にはお勧めできないのかを見ていきます。

現在1枚のモニターやノートPC画面でDTMをしている方、左右配置のデュアルモニターでDTMをしている方はぜひ参考にしてみてください。

モニターの上下配置をおすすめできる人

以下の項目に当てはまる方はモニターの上下配置をお勧めできます。

モニターの上下配置をお勧めできる人
  • モニターアームの使用に抵抗がない人
  • デスクスペースを有効活用したい人
  • 左右配置のデュアルモニターの使用感に不満を持っている人

1. モニターアームのデザインが気にならない人

モニターアームはどうしてもゴテゴテ感・メカメカしいようなデザインが多く、見た目が気になる方もいるかもしれません。こういった記事を書いていますが、実は僕がそうです。それもあり現在はシンプルなデザインで、アーム感の少ないモニターアーム?を使用しています(笑)

僕自身多くのモニターアームを使用してきたわけではありませんが、このモニターアームはすごくおすすめです。前面からはもちろん、写真を見てもらうと分かるように背面から見てもゴテゴテ感が無く非常にシンプルです。

デザイン面・使用感だけで無く、モニターアームとしては価格も非常に安く他のアームとは少し異なる取り付け方法が採用されており、これがまた凄く良くて...と語りだすとおそらく1記事分になってしまうのでここでは割愛します。

話を戻します。実際モニターアームを使ってみると、デスクスペースを有効に活用でき、見た目もすっきりして快適になります。もし「どうしても外観が気になる」という方にはデュアルモニターは向かないかもしれませんが、作業環境が整うことでテンションが上がり楽曲制作もより楽しくなります。

2. デスクスペースを有効活用したい人

モニターを上下に配置することでモニター下のスペースが確保され、デスクがすっきり整理しやすくなります。モニターをデスクから少し浮かし、このようにコード類をモニター下に通すことも可能です。

現在はモニターとデスク間を狭くしこのようにしていますが、以前はもう少し広くしモニター下にオーディオインターフェイスを収納していました。DTMは機材やコード類が多くなりがちです。デスクの奥行きが狭い方にとってモニター下のスペースを活用し機材やPCを収納するのは、非常に実用的な工夫といえます。

上下配置ではモニターアームが必須になりますが、このようにデスクスペースを柔軟に活用できるのは大きなメリットです。

左右配置でもモニターアームを使用することで同様にモニター下のスペースを有効活用できます。しかしデスク上にモニター2枚分のスペースを占領するため、モニタースピーカーの設置が難しくなる場合があります。

一方、上下配置ではデスク上のスペースとしてはモニター1枚分しか占領しないため、その心配がありません。

3. 現在、左右配置でデュアルモニターを使用しているが不満がある人

もし現在、左右配置でデュアルモニターを使用していて、視線移動やスペースの問題に不満を感じている方には、思い切って上下配置に切り替えることをお勧めします。

視線の移動距離が減少し、デスク上のスペースも効率的に使えるようになるため、作業環境の改善が見込めます。世界が広がります。

モニターの上下配置をお勧めできない人

以下の項目に当てはまる方はモニターの上下配置や、デュアルモニター自体お勧めできません。ちなみに上の画像は僕が約3年前、DTMを始めたばかりの頃のリスニング環境(再現)です。

モニターの上下配置をお勧めできない人
  • 大画面モニターを使用している人
  • 目線移動を極力したくない人
  • 少ないトラック数で楽曲を制作している人

1. 大画面モニターを使用している人

現在、40インチ以上の大画面モニターを使用している方は、デュアルモニターを追加する必要性が低い可能性があります。大画面モニター1枚で作業が完結するため、そこにもう1枚足すとなると視線移動が多くなり、逆に非効率になることがあります。

また、非常に大きなモニターはその重さやサイズも考慮する必要があり、モニターアームやデスク天板の耐荷重を確認しなければなりません。1枚の大画面モニターで十分作業できる場合は、無理にデュアルモニターにする必要はないでしょう。

2. 目線移動を極力避けたい人

上下配置のデュアルモニターは、左右配置と比べて目線の移動が少なく済みますが、1枚のモニターで作業するのと比べると、どうしても目線移動や首の動きが増えることになります。

視線移動を最小限にしたい場合には、複数モニターでは無く1枚のモニターで行う方が良いかもしれません。

3. 少ないトラック数で楽曲制作をしている人

10〜20トラック程度で楽曲制作を行っている方は上下配置のデュアルモニターは必要ないかもしれません。少ないトラック数であれば、1画面で十分対応できるため、デュアルモニターを使うよりも1画面で作業を完結させる方が効率的です。

ちなみに僕もDTMを始めたばかりの頃はノートPC単体や23インチモニター1枚で行っていました。トラック数は確か20トラック前後だったと思いますが、このくらいの頃はあまり不便に感じていませんでした。あえて言うなら打ち込み時にピアノロールの上下スクロールが多く、その点は不便に感じていた気がします。

現在は使用する音が増え、1曲で80〜100トラック程扱うこともあり、とても1画面でする気にはなりません。ですがギターの録音は別プロジェクトで行なっており、それに関してはトラック数が少ないため29インチウルトラワイドの1画面で行なっています。

さいごに

デュアルモニターは、DTMの作業効率を向上させる非常に有効な手段です。特に上下配置は、身体的な負担を軽減しデスクスペースを有効活用できるため、特に狭い作業環境での選択肢として非常におすすめです。

ただし当記事で紹介した通り、1年半の使用経験から「こういった方にはお勧めできない」という点も実際に存在しました。

また、僕も上下配置をしたばかりの頃「モニターを見上げることになるから首が痛い」と感じていました。しかしモニターの位置を下に下げたり少しの傾斜を加えることでこれらの不快感が改善されました。上下配置に限らずですが、モニターアームを使用することで高さや角度の調整ができ、快適な作業環境を整えることができることも大きな魅力です。

快適な作業環境は一度で見つかるものではなく、さまざまな試行錯誤を経て気づく点も多くあります。もし試して見て「自分には合わない」と感じた時は元に戻してしまうこともできます。ぜひこの記事を参考にいろいろと試し、ぜひ快適なDTM環境を構築してください!

僕が実際に試した5つのパターンを比較した記事もありますので、ぜひこちらも合わせてご覧ください。

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