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DTMでギターを録音している人って、どのようにしているんだろう。
これからDTMを始める方やギターの録音に挑戦したい方の中には、こうした疑問を抱えている人も多いのではないでしょうか。
また、実際にDTMで録音をしてみて
「他の人よりクオリティが低い気がする」
「もっとクオリティを上げたい」
こう悩む方も少なくないはずです。



僕もそう悩んで、たくさん試行錯誤したよ。
この記事では、「録音クオリティを上げたい!」と常に考え3年間試行錯誤した僕が"実際に行っているギターの録音方法"について詳しく紹介していきます。
はじめに


まずはじめに、この記事で紹介するのはあくまで「僕自身のギター録音方法」です。
これが正解というわけでも、録音の全てを網羅しているわけでもありません。



こんな方法があるんだ。
のように気軽に読んでください。



参考になりそうな部分があれば、ぜひ録音方法として取り入れてみてね。
ギター参考楽曲を紹介



こんな記事書けるほどクオリティの高いギター録音できているの?



できているよ!!!多分...。
まずはギターの参考例として僕の楽曲を2曲紹介します。
\開いて見れるよ/
ひとつの音楽を聴いてみる
星屑のパレット
ギターがしっかりと目立つラウドロックな楽曲です。
1年以上前の楽曲にるため今の録音方法と少しだけ異なる部分もあります。
しかし、重要な部分はこの記事で紹介する方法と変わりません。
ガチャロック
この記事を書いている段階での最新曲です。
この記事で紹介する方法で録音してはいますが、ポップでカワイイ楽曲ですので、あまりギターが目立っていません。
僕はこの記事で紹介している方法で、上記のような楽曲を制作しています
※ギター初心者ではありません
僕は3年前にDTM・ボカロPとしての活動を始めましたが、当時すでにギター歴は約10年ありました。
ここで言う"DTM歴3年"は、「DTMやギター録音を始めてからの年数」を指しており、「ギターの演奏歴」ではない点はご了承ください。
現在の録音環境


録音方法の前に、僕の録音環境についての紹介です。
ギターの主な録音方法
- マイキング録音
-
アンプの音をマイクで収録し録音
- ライン録音
-
オーディオインターフェース等を利用し、パソコンにギターを接続し録音
使用機材
ギター録音に使用している機材
- BOSS WL - 50
(ワイヤレスシステム) - KORG pitchblack +
(チューナー) - BOSS GT - 1000
(マルチエフェクター) - Mac mini(M4, RAM:32GB)
僕は上記機材を使用しており、以下のように接続しています。





オーディオインターフェースに繋いでいないんだね。



GT-1000がオーディオインターフェースの役割を兼ねているよ。



もしかして:オーディオインターフェース持っていない?



持ってるよ。
僕はDTMを始めた頃、オーディオインターフェースは"ギターを録音するにあたり必ず必要な機材"だと思い、TASCAMのSERIES 102iを購入しました。




DTMを始めた当初はこのSERIES 102iを使用してギターを録音していました。
GT-1000で録音する理由



どうしてオーディオインターフェースがあるのに、GT-1000で録音しているの?



個人的にこっちの方が音作りがしやすいのと、CPU負荷を考えなくいいからだよ。
AmpliTubeで音作り
SERIES 102iにはIK MultimediaのAmpliTube(アンプシミュレーター兼エフェクトプラグイン)の体験版が付属しています。
そのAmpliTubeで音作りをすることも試してみましたが、どうしても"歪み"の音が自分には合いませんでした。
その結果として取り入れた方法が、物理エフェクターで音作りをするです。


GT-1000導入前の音作り方法
- Bogner:Ecstasy Red
- BOSS:BD-2W
この2機種をメインとして使用し、MS-3で空間系・モジュレーションの音作り。
物理エフェクターのアウトプットからTASCAMの102iに接続し、Macに接続。
(当時は2017製のintel MacBook Pro)
DAW(Logic)で録音し、プラグインとしてAmpliTubeを使用。
中でエフェクターは使用せず、JC-120のアンシミュとキャビネット類のみを使用。
この方法が正しかったのかはいまだによくわかっていません。
AmpliTubeのデメリット
AmpliTubeはとても優れたプラグインで、今でも切り替えたくなるほどの魅力を感じています。
しかし、当時の僕にとってはどうしても受け入れられないデメリットがありました。
それは、CPU負荷の大きさです。
当時僕が使用していたMacBook Proはスペックが高くありませんでした。
そのため、AmpliTubeを複数立ち上げると以下のようなトラブルが頻発しストレスを感じていたのを覚えています。
- 変なノイズが入る
- 音に"ブツブツ"といった音が混ざる
- 実際に弾いている音が遅れて聴こえる
(レイテンシが生じる)
CPU負荷をかけない録音方法
CPU負荷をかけない録音方法として、
・バッファサイズを上げる
・トラックをフリーズ
などがよく挙げられます。
これらの説明はここでは割愛しますが、CPU負荷をかけなくする反面デメリットもあります。
さらに僕の場合、これらを行っても結局ストレスなく録音することはできませんでした。



意味ないじゃん。
そこで僕は



プラグインじゃなくて実機で録音すれば、CPU負荷抑えられるんじゃない?
という天才的なアイデアを思いつきました😎
GT-1000を導入
CPU負荷を極力かけない録音として考えた結果、マルチエフェクターの使用をすることに決めました。
GT-1000を選択した理由
- サンプリングレートが96kまで対応
- センドリターンが2端子ある
- 本家JC-120のアンシミュが使える
- BOSSが好き


- BOSS / GT-1000
- Line6 / Helix(Floor, LT)
- Neural DSP / Quad Cortex
上記のような、
- 高度なモデリング技術
- 高精度なIRに対応
- 柔軟なルーティング・MIDI制御に対応
こういったハイエンドマルチエフェクターのことを"ギタープロセッサー"と呼びます。
※当記事では混乱を避けるために「マルチエフェクター」と表記
Macの買い替え
使用しているMacのスペックが低く、CPU負荷をかけない方法としてGT-1000で音作りをしていると紹介しましたが、僕は2024年12月にM4 MacMiniに買い換えました。



通常のM4チップで、メモリは32GBに増設したよ。
このMacであれば、おそらくプラグインを使用しての録音も快適にできます。
しかし、今のところプラグインに切り替える予定はありません。
ギター録音における設定方法


次は、ギター録音時に行なっている設定方法についてです。
設定はテンプレートとして保存しており、すぐ録音作業に取り掛かれるようにしています。



毎回設定していたら時間の無駄だもんね。
録音時の環境
- パソコン
-
Mac Mini(M4)
- DAW
-
Logic
この記事では、上記の環境を例に解説していきます。
画面や設定方法は違いますが、他のパソコン・DAWでも同じようにできるはずです。
プロジェクト設定



まずはプロジェクトの設定から見ていくよ。
チューニング:442Hz
僕が制作する楽曲は、チューニングを442Hzに合わせています。
チューニングはプロジェクトに対する設定ではありません。
プロジェクトの設定を変更する必要はありませんが、使用する音源ごとにチューニングを合わせる必要があります。
\開いてみれるよ/
チューニングの設定方法
以下は僕がよく使用する音源プラグイン「SERUM2」の設定画面です。


少し見づらいですが、赤枠で囲った部分で442Hzに設定しています。



プラグインによって設定方法は違うよ。



新しい音源使うときはチューニングの設定方法を調べる必要があるね。
これに関してはあまり意味のない"こだわり"です。
設定も方法を探すのも面倒ですので、標準の440Hzで設定しておくことをおすすめします...。



自分でしておきながらだけど、あまりおすすめしないかな。
サンプリングレート:96kHz
GT-1000の録音可能な最大サンプリングレートは96kHzです。
「とりあえず最大でしとけば最強」の気持ちで、僕は96kHzで録音しています。



サンプリングレートって何?



1秒間に音の情報を取得する回数を表す数値だよ。



......なるほど。
サンプリングレートは少し分かりづらい設定ですが、数値が高いほど音を細かく記録できるため「高音質になる」とされることが多いです。
ただし、サンプリングレートを上げるとパソコンへの負荷も大きくなってしまいます。



スペックが低いパソコンの場合は低く設定した方が良さそうだね。
サンプリングレートを上げると
音を細かく記録できる=高音質になる
とされることが多い。
一方、
「YouTube等に投稿すると最終的に44.1kHzや48kHzに変換されるから意味がない」
という意見もあります。
僕は高音の鳴り方が96kHzの方が綺麗に感じた"気がした"ので96kHzで録っていますが、パソコンへの負荷等考えると48kHzくらいが無難かもしれません。
\開いて見れるよ/
サンプリングレートの変更方法
メニューバーから
の順に選択すると、以下の画面が表示されます。


上記画面のサンプルレートの値を変更することで、プロジェクトのサンプリングレートが変更されます。



サンプルレートとサンプリングレートは同じ意味だよ。
入出力デバイス設定
次に入出力デバイスの設定です。



ここでは何が設定できるの?



DAWに音を送る機器・送り出す機器の設定ができるよ。
入力・出力デバイスとは?
入力デバイスは音を送る機器、出力デバイスは音を送り出す機器となります。


入力デバイスとは
DAWへ音を送る機器
- オーディオインターフェース
(ギターやマイクの音を入力) - マルチエフェクター
- パソコン内蔵マイク
出力デバイスとは
DWから音を送り出す機器
- オーディオインターフェース
(スピーカーから音を出す) - パソコン内蔵スピーカー
入出力設定の例
- 入力デバイス
-
GT-1000
- 出力デバイス
-
オーディオインターフェース
この設定は、プロジェクトごとの設定ではなくLogic本体のオーディオ設定です。
そのためテンプレートには保存されず、プロジェクトを開くたびに確認・設定が必要になります。
プロジェクトに関わらず、前回閉じたときの設定が引き継がれます。



僕はギター録音時、入力も出力もGT-1000にしているよ。
\開いて見れるよ/
入出力デバイスの設定方法
メニューバーから
の順に選択すると、以下の画面が表示されます。


上記画面の「出力デバイス」と「入力デバイス」で、入出力でデバイスの設定が行えます。
なぜ"出力"もGT-1000?



どうして出力デバイスもGT-1000なの?



リアンプをするためだよ。
入出力をGT-1000に設定したうえで、
- インプットにギターを接続
- ヘッドホン出力にヘッドホンを接続
このように設定することで、以下のように音が出ます。





これってギター以外にもDAWで再生したドラムとかも聴こえるの?



もちろん!DAWから出力された音がそのまま出てくるよ。
GT-1000に限らず、多くのマルチエフェクターではリアンプという手法が使えます。
リアンプの流れ
入力・出力の設定をマルチエフェクターに設定。
音がマルチエフェクターから出力されるため、マルチエフェクターにスピーカーまたはヘッドホンを接続する。
以下の2種類の音を録音。
- ウェット音
-
エフェクターやアンプシミュレーターを通した音
- ドライ音
-
エフェクター等を通していない音
ドライ音をGT-1000に送り直し、エフェクトをかけて録音。
ギター録音の手順


それでは、DTM歴3年・現役ボカロPである僕たどり着いたギター録音の手順について、詳しく紹介していきます。



いよいよ本題だね!
ここで紹介する方法はあくまで僕自身の録音方法であり、これが「録音の正解」というわけではありません。
「こういう方法もあるんだ!」と、参考のひとつとして読んでいただければ嬉しいです。



もちろん1から10まで全部真似しちゃっても良いよ♡
全体の流れ
僕が録音における全体の流れは、以下の通りです。
録音の流れ
- プロジェクトの設定
- 必要なトラックの作成
- ギターのアレンジ・練習
- 正確なチューニングをしつつ録音
- 録音ファイルの結合
- リアンプ
- 音源の補正



結構いろんなことしているんだね。



プロジェクト設定は解説済みだから、それ以降の項目を詳しく紹介するね。
トラックの作成
まずはトラックの作成からです。
トラックも設定と一緒にテンプレートとして保存しているため、録音プロジェクトを立ち上げたらすぐに録音を始められるようにしています。
テンプレートのトラック
僕はテンプレートとして、以下のようにトラックを作成しています。


- Chord
-
楽曲のコード情報MIDI配置用
- Melody
-
楽曲のメロディMIDI配置用
- Drums
-
ドラム音源(BFD3)
- GT-1000_
Rec -
ウェット音の録音用
- GT-1000_
Rec(Dry) -
ドライ音の録音用
- GtBacking
-
バッキングギター音源保管用のサミングスタック
- GtLead
-
リードギター音源保管用サミングスタック
これを基本として録音プロジェクトを立ち上げ、必要に応じてトラックを追加・削除しています。



録音はRecトラックでして、録音した音源はそれぞれのパートのサミングスタック内に移動しているよ。
使用するギタートラック
主に使用するギターパートは、
・バッキング
・リード
です。
それぞれ「メイン」と「ダブリング」、さらにドライとウェットの計4トラックを用意しサミングスタックとしてまとめています。
また、空間系・モジュレーション系のエフェクトをかけステレオ録音をすることもありますが、こちらはダブリングトラックは無しです。



昔はベースも録音していたけど、今はすっかりMODO BASS。
\ダブリングについて詳しく見る/


チューニング



トラックを作成したからいざ録音!
といきたいところですが、その前にチューニングを行いましょう。
また、録音が長時間に渡ると徐々にギターのチューニングが崩れていきます。
そのため、録音の途中にもチューニングを見直すようにしましょう。



そんなに崩れるものなの?



確認してみると数セントずれてた...とかよくあるよ。
数セントという少しのピッチのズレでも、楽曲の違和感に繋がることもあります。
録音時は、正確なチューニングを心がけましょう。
\こちらもおすすめ/




ギターを録音



トラック作った、チューニングもした、いざ録音!
分割して録音
ギターに限らず、録音はできるだけ1フレーズ通して録るのが理想的です。



繋ぎ目が少ないほど自然なギター音源になるよ!
しかし僕は、苦手なフレーズや難しいフレーズは無理に通して録らず分割して録音しています。



1フレーズ通して弾けるように練習してから録音すれは良いんじゃない?



いや、それに関しては...はい、おっしゃる通りです。
ちょっとした言い訳
- 練習に時間がかかる
- 納得のいくテイクがなかなか取れず時間がかかる
このように無理に通して撮ろうとすると、かなりの時間がかかります。
1フレーズを完璧に撮れるまで練習する
よりも
自然に繋げる編集スキルを身につける
こっちの方が圧倒的に効率が良い上、慣れると頑張って練習し録音するよりもクオリティが上がることもあります。
ただしこれは"楽曲制作"における話です。
ギター録音をする目的が"ギターの上達"である場合は、この限りではありません。
少し長めに録音
ギターの録音時は、綺麗に結合するための前準備として"前後に少し余裕"を持たせて録音していきます(詳しくは後述)。


納得のいく録音ができたら、オーディオファイルをそれぞれのパートのトラックへ移動させておきます。
この流れで1曲分のギター×必用なパート分、ひたすら録音です。
ギターの録音における分割は、
しかし最近は
- 機械的・非現実的なフレーズを作る
- 人間離れした演奏表現を目指す
こういった制作スタイルをあえて行う場合もあります。
オーディオファイルの結合
1曲分の録音が終わったら、次はオーディオファイルの結合です。
僕はこの後リアンプを行うため、ここで繋ぎ合わせるのはウェット音ではなくドライ音になります。



切って結合するだけでしょ?簡単だね。



簡単そうに思えるけど、実は意外とテクニックがいるよ。


何も考えずに結合しても
- 波形が自然に見える
- 音を聴いても違和感を感じない
このように、一見問題なさそうに思えるかもしれません。
しかし波形をしっかり拡大すると...
- 結合部分に段差ができている
- 波形の不自然な形になっている
このようなことが起こっている場合があります。
こういった波形になっていると、クリックノイズ発生の原因となるため注意!
クリックノイズは最終的に楽曲の雑音としてしっかり残るため、必ず無くさなければなりません。
ゼロクロスで結合
クリックノイズを防ぐため、オーディオファイルの結合は以下のように行うことが多いです。
- ゼロクロスで結合
- クロスフェードして結合
- 録音時にパンチイン



僕はゼロクロスで結合しているよ。
ゼロクロスとは
波形の振幅(上下の振れ幅)が、真ん中の線に交わるポイントのこと。
この際2つの波形はできるだけ同じような形をした箇所同士で結合しましょう。


僕がギターを録音時にフレーズの前後を少し余分に録音しているのは、まさにこのためです。
必用な部分だけをピッタリ録音してしまうと、結合できる位置が限られてしまいます。



最後の音を少し伸ばすとかしていた時期もあったけど、結局あまりうまくいかなかったよ。
対して前後に少し余裕を持たせて録音しておけば、それぞれ同じ部分を弾いている箇所ができます。



同じ音を弾いている部分があれば、自然に繋げやすそうだね。
ゼロクロスやクロスフェードによる詳しい結合方法のコツや重要性については、別の記事で解説していきます。
タイミング補正
歌い手さんと関わる機会がある方は"タイミング補正"や"ピッチ補正"という言葉を聴いたことがあるかもしれません。
これらは録音後の音源に対して、タイミングや声のピッチ(音程)を曲に合わせて調整する作業のことです。
僕はギターを録音した後にタイミングの補正のみ行っています。



ただのズルじゃん。



失礼な!プロでもよくやる手法だよ。
稀に「補正はズル」だと発言する人も見かけます。
しかし僕は、「音源のタイミングやピッチの補正は楽曲クオリティを高めるうえで欠かせない」という考えです。
もちろん自分のできる範囲で妥協せず録音することは大前提ですが、その上で補正は積極的に取り入れるべきだと思っています。



ピッチの補正はしないの?



ギターにおいては、ほとんどしないよ。
ギター録音でピッチ補正が必要となるケース
- チューニングが狂っている
- シンプルにミスしている
もちろんギター録音においてピッチ補正をしても問題ありません。
実際、僕も微妙にピッチをずらしたくて補正したことが何度かあります。
補正前後の音の比較
以下は、録音した補正無しの音源とそれを補正した音源です。
一応言っておきますが、補正前の音源は"あえて"ズラして弾いています🥹
ここまでタイミングのズレが激しいギター音源でも、あまり違和感を感じさせずに補正することができます。



初心者ギタリストでもかっこいいギター音源が撮れそうだね!



そうだね!でもさすがにここまでズレた音源を補正するのはあまりお勧めはしないかな...。
補正の方法
タイミングやピッチ補正として一番よく挙げられるのは、"メロダイン"です。





これよく見るやつだ。
メロダインはピッチもタイミングも自然に補正してくれるため、歌の補正には最適です。



僕も歌の補正には必ず使用しているよ。
一方ギターの場合、僕はタイミングしか補正せずFlexの方が使い勝手が良いと感じています。
メロダインは非常に優れたピッチ補正ツールです。
しかし
- バグが多い
- やや使いづらい
このように感じることがあるため、僕は以下のように使い分けています。
- 歌の補正
-
メロダイン
- ギターの補正
-
Flex
FlexはLogic付属ツールのため、他のDAWでは使えません。
他のDAWを使用している方はそのDAWの補正ツール、もしくはメロダインを購入し使いましょう。
詳しくは別の記事で解説しますが、Flexでは以下のように補正していきます。


難しそうに見えるかもしれませんが、慣れれば例として出した補正くらいであれば1分もかからずにできてしまいます。
補正はドライ音で!
ギターの音を補正する際、僕は以下の理由でウェット音ではなくドライ音で行っています。
- 歪みがあるとトランジションを検出しずらい
- 歪んだ音を補正すると違和感のある音になりやすい
- 音作りを変えたくなったとき変えやすい
ウェット音を補正
加工された音に対して補正
後から音作りをやり直す場合は、
- ドライ音を再度リアンプ
- リアンプした音源に対してもう一度補正
ドライ音を補正
素材そのものを補正し、後からエフェクターで加工
後から音作りをやり直す場合は、
- 補正したドライ音をリアンプ



ドライ音を補正した方が汎用性が高い上、音源としてのクオリティも上がるよ。



さっきの補正例はそうやって補正してたんだね!



ごめん、あれはリアンプ面倒だったからウェット音補正した。



....え?
音量を調整することも可能
補正は"タイミング"や"ピッチ"のみだと思いがちですが、音量を補正することもできます。
音が小さすぎた部分の音量を持ち上げたり、逆に大きすぎた部分だけ音量を下げたりといったことも可能です。



何でもできちゃうんだね。



でも補正するほど違和感は出やすいから、頼りすぎは禁物!
リアンプ
ドライ音のタイミング補正が終わったら、最後にリアンプです。
リアンプは曲の最初から最後まで行います。
そして、ここまでで撮ってきたウェット音は思い切って消してしまいます。



だったらどうして撮ってきたの!?



確認用としてだよ。全体の流れを聞き直す度リアンプかけてたら面倒だからね。
もし不安な場合は、削除前に音源として書き出しても良いかもしれません。
なぜリアンプをするの?
リアンプをする主な目的は、後から音作りを変更することです。
しかし僕の主な目的は少し違い、「より自然なギター音源に仕上げるため」にリアンプを行っています。
これまでの流れ
ドライ音とウェット音を同時に録音。
ゼロクロス等でクリックノイズを発生させないように注意しながら、ドライ音を結合。
ドライ音のタイミングを補正。
STEP2と3を歪みエフェクトが付いた状態でやってしまうと、音源に違和感が出やすくなります。
さらにリバーブやディレイを使用していた場合、結合部分で残響が途切れ違和感を与える原因となります。
こうしたトラブルを防ぐために、ドライ音を結合→補正→リアンプの順に行っています。
GT-1000でリアンプをする利点
僕はプラグインではなく、実機エフェクターであるGT-1000を使って録音・リアンプを行います。
実機の大きな利点は、繰り返しにはなりますがパソコンのCPU負荷を抑えられることです。



パソコンのスペックに左右されないのは良いよね。
さらにもう一点、スイッチやペダルが簡単に使えるという利点もあります。



MIDI対応の外部ペダルを使えばプラグインでも同じことができるけど、設定面倒だし案外高い...。
エフェクトのかかったウェット音を結合した場合、エフェクトの切り替え部分に違和感が出やすくなります。



特にディレイやリバーブは残響が途中で切れたり唐突に始まったり...どうしても不自然になりがちだよ。
スイッチやペダルの付いた実機でリアンプを行うと、
- 途中でエフェクト切り替える
- ペダルを使って動的なフィルターをかける
- 部分的にディレイをかける
こういった操作が容易にできます。



実機ならではの強みだね。
さらに、GT-1000には「TONE STUDIO」というパソコン上で音作りができるソフトがあります。
これを使えばプラグインと同じような感覚でパソコン上で直感的な音作りができ、スイッチやペダルへの割り当ても簡単です。


一発撮りをしたようなクオリティ
ウェット音を結合・補正した場合、ギター音源単体で聴くと違和感を感じる部分が出てしまいがちです。



ミックスすれば違和感を感じづらいし、それで良いと言えば良いんだけどね。
一方で、
ドライ音を違和感なく結合・補正
↓
リアンプ
こうすると、あら不思議!
まるで一発どりをしたかのようなクオリティの音源ができちゃいます。



なんか、リアンプって万能すぎてずるくない?



使ってみるとあまりの便利さに病みつきになっちゃう。
さらに、
ギターのドライ音に対して、EQやコンプを軽くかける
↓
リアンプ
こういったギター本体の出音をぶち壊すようなリアンプも可能です😈
ここだけの話ですが、僕はピッキングノイズや不快なノイズを消すためにたまにします(笑)
完成
以上が僕のギター録音における、一連の流れです。



ただ弾いて録音!ってだけではないんだね。



その分、いいギター音源になっているよ!
DTMを始めたばかりの頃は補正やリアンプ、ゼロクロスでの結合といった知識はありませんでした。
そのため当時はウェット音だけを録音し結合するだけでしたが、DTMに関する知識が増えるにつれて工程が増え、今の形になりました。
その分、最初の頃のギター音源と比較するとクオリティの差は歴然です。



でもその分、録音にかける時間も増えたんじゃない?



効率が良い方法を追求したから、むしろ最初よりかける時間は短くなってるよ!
まとめ
以上、DTMを3年間続けてたどり着いたギター録音方法の紹介でした。
ここで紹介した方法はあくまでも"僕自身の録音方法"です。
これが正解というわけではありませんし、すべての人に最適な方法というわけでもありません。
僕は「ドライ音を補正しリアンプで最終的な録音」という方法でギター音源を作っていますが、中には「補正・リアンプに頼るなんて邪道」と考える方もいかもしれません。
それ以前に「ギター録音は絶対アンプをマイクで録るべきだ」という意見もあります。
しかし、録音方法には"これが正解"という方法はないと僕は思っています。
最終的に楽曲として仕上がるのであれば、どんな方法であっても問題ないはずです。



そして何より楽しむことが一番!
この記事が、ギター録音方法で悩んでいる方のヒントや参考になれば嬉しいです。