おしゃれでかっこいい、そして快適に使えることを目指し1年かけて構築した現役ボカロPのDTMデスク環境を紹介します。これからDTMデスクを作っていこうと思っている方はぜひ参考にしてみてください。
ボカロP目線、ギタリスト目線で快適なデスク環境を作ったよ。
運営者情報
1102(ひとつ)
2022年8月「ヒトツノオト」でデビューしたギター歴10年以上のボカロP。
バンドサウンドを主軸とした楽曲を制作。
ニコニコ動画、YouTubeに楽曲動画配信中。
作業環境の全体図
僕の現在(2023年9月)の作業環境はこんなかんじです。必要な物は詰め込みながらもできるだけシンプルに作り上げました。
この記事ではこの作業環境で使用している機材等を簡単に紹介していきます。もし「これは何?」「これの使い心地もう少し教えて!」などあればコメントやX(https://twitter.com/1102_hitotsu)でご気軽に聞いてください。
使用PCとデュアルモニター
MacBookPro(2017年製 13インチ)
僕のボカロP活動の核となっているMacBookProです。CPUはIntel Corei5、メモリは8GBです。購入当時はPCについて詳しくなかったので「MacBookProを買えば問題ないだろう!」程度の気持ちで購入したものなので割と低スペックです。
ボカロP、DTMを始めたのは2022年5月頃からなのですが、実は2017年に1度挑戦しようとしていました。その時に購入したものなので低スペックに加え古い端末です。動画編集となるとストレスを感じる部分は正直ありますが、DTMでは全く問題なく使えています。今のところ買いかえるつもりはありません。データ移行めんどくさいし。
ちなみにMacBookは机の裏に置いているスチールラックに配置しクラムシェルモードで使用しています。「だったらデスクトップ型で良くない?」と思われそうですが、リビングや出先で作業をすることもあるのでノート型を使用しています。
同じスペックでも安く買えるし次はMacMini買おうかな。
絶対部屋にこもってリビングに出てこなくなるからダメ!ノート型にして。
※2023年12月追記:
同じスペックでもMacbookがこんなに高いんだよ!とプレゼンしたところMacMiniの購入許可がおりました。ひゃっはー。
Magic KeyboardとMagic Trackpad
MacBookを「クラムシェルモードで使用する=画面を閉じた状態で使用する」なので、必須となるのがキーボードとマウス、もしくはトラックパッドです。僕はApple純正のMagic KeyboardとMagic Trackpadを使用しています。
DTMerはトラックボールマウスを使用している人が多い印象ですが、僕はトラックパッドの方が好きなのでトラックボールも普通のマウスも使っていません。
ちなみに両方とも有線で接続していますがもちろん無線でも使えます。僕の端末のスペック不足のせいかはわかりませんが、無線接続でDAWを開くとマウスカーソルの動きが遅くなることが稀にあったので有線で接続しています。
デュアルディスプレイとモニターアーム
上画面では僕の曲再生してるよ。
まだサブスク配信はしてないけど気になる方はYouTubeに遊びにきてね。
ディスプレイはモニターアームを使用し、2枚縦並びで使用しています。メインディスプレイ(下)はLGの29WP500-B、サブディスプレイ(上)はiiyamaのG2730HSUです。
デュアルディスプレイというと横並びのイメージが強いと思います。実際僕もずっと横並びでした。しかし「DTMをするなら縦置きが良い!」という話を聞くことが多かったので、作業環境を一新する際思い切って縦並びにしてみましたが個人的に大正解でした。
※詳しくはこちらの記事で
モニターアームはグリーンハウスのGH-AMDA2Vというものを使用しています。とても安くて良かったのですが、これを選んだもっと大きな理由もあるので、それもまた別の記事で紹介します。
モニター用ヘッドホン、スピーカー
モニターヘッドホン【MDR-900ST】
モニターヘッドホンはソニーのMDR-900ST、を使ってます。よく録音現場で見る赤いやつです。ちなみにイヤーパッドは劣化したため、他社製の物に交換しています。
モニタースピーカー導入まではこれだけで録音からミックス、マスタリングまで行っていました。しかし最近、MDR-900STはミックス向きではなく、あくまでモニター用だと知りました。確かにギターやベースを録音する際は細かい音やノイズまでしっかりと聴こえてきます。対してミックス作業では低音が聴こえづらいため低域を上げすぎてしまったり、逆にそれを考慮して低域を下げると曲がペラペラになったり...と言ったことがよくありました。
やはりミックスやマスタリングはそれ用のヘッドホンかモニタースピーカー、できれば両方で行ったほうが良さそうです。
モニタースピーカー【YAMAHA HS5】
言わずと知れたモニタースピーカー定番機種のYAMAHAHS5を使用しています。X(旧Twitter)でおすすめないかなと思って聞いてみたところ、HS5を使っている方が多くて驚きました(笑)
上位機種であるMSP3という案も頂きました。僕は大音量でモニタリングできる環境が整っているのでサイズを合わせてMSP5も候補に入れいろいろと検討しました。ですが最終的には値段がお手頃なのに加え、ボカロP友達に見せて頂いた白いスピーカーがすごくかっこよく感じたため、HS5のホワイトにしました。
機能性はもちろん大事ですが使っててテンションの上がる見た目ってやっぱりあると思うのです(笑)
機能も大切だけどやっぱり見た目も大切だよね。
「スタンドがセットになったものがある」という情報も頂きましたが、スタンドとケーブルもセットになってるものも見つけたので、そちらを購入しました。このスピーカーを設置しているスタンドとオーディオインターフェイスに接続しているケーブルはセットで購入した物です。
他のモニタースピーカーを使ったことはありませんが、オーディオスピーカーとモニターヘッドフォンだけで楽曲制作を行っていた頃と比較すると格段に音が聴きやすくなりました。HS5は低音が弱いという意見も多く見られましたが、それは半分合ってて半分間違っているように感じました。
小さい音量で聴くと低域が聴き取りずらいですが、音量を70dbくらいまで上げるとしっかり聴こえてきます。しかしこれは防音設備が整っていない環境だと周りからクレームが来るレベルの音量です。低域はMSPシリーズの方が聴き取りやすいそうなので、大きな音を出しずらい環境の方はMSPシリーズの小型モデルであるMSP3あたりが良さそうです。
MIDIキーボード
Roland A-49
MIDI入力用のキーボードとしてRolandのA-49を使用しています。49鍵盤のMIDIキーボードで、コードとメロディを同時に押さえれる鍵盤数でありながら大きすぎないという点ですごく重宝しています。(幅は83cmで29インチウルトラワイドモニターよりも少し幅広)もし壊れたら同じ物を買うだろうとくらい気に入っています。
ピアノをがっつり弾く人にとっては49鍵は物足りないかも知れませんが、僕のようにピアノは弾けずDTMで打ち込み用途で使用するだけの方には十分な大きさです。
AKAI MPK mini
こちらはAKAIのMPK miniというMIDIキーボードです。49鍵あったA-49より1オクターブ少ない37鍵となっています。リビングで楽曲制作を行う際、A-49だと持ち運び時に大きすぎるの小型の物が欲しくて購入しました。でもどうせなら作業部屋にいるときも使いたいと思い、パッドやコントロールノブが付いているMPK miniを選びました。
パッドやコントロールノブはとても便利ですが、鍵盤部分は正直いまいちです。A-49と比較すると鍵盤の幅が狭く押さえにくく感じます。打鍵の感覚もA-49の方が良いです。
また1オクターブの違いで利便性が変わってきます。コードだけ、メロディだけを片手で打ち込む方、もしくは僕のようにサブ機として使う方には省スペースで使えておすすめですが、いずれ物足りなく感じる可能性が高いので配置スペースがあればA-49同等サイズ以上の物をお勧めします。
オーディオインターフェイス【TASCAM SERIES 102i】
オーディオインターフェイスはTASCAMのSERIES 102iを使用しています。ボカロP活動をする中で同じ物を使っている方を見かけたことがないので、少しマニアックな製品かもしれません。
「入力数が少ない代わりに高品質」という製品であり、同じ2IN2OUTのものと比較すると若干割高です。これが使っている方を見かけない大きな理由ではないかと思います。ギターのライン撮りをこれより安価なもので行ったこともありますが、比較すると「ノイズが少なくハイがクリア」という印象でした。
また、機能は制限されていますがIK MultimediaのAmpliTubeがバンドルとして付属するので、これさえ購入すればギターを高音質で録音することが可能です。ちなみに現在僕は後述するマルチエフェクターでライン入力して録音する方法に切り替えたため、完全に宝の持ち腐れ状態になっています(笑)
この製品のデメリットはバスパワーで駆動しないため、付属のアダプタを接続して使用する必要がある点です。これは高音質で録音することによる弊害だと思います。しかし僕はオーディオインターフェイスを持ち運んで使うことはないので、これに対して困ったことはありません。
ギター周辺機材
ここからはギター関係の周辺機材です。ギターをしていない方には興味がない部分だと思うので飛ばしてしまっても大丈夫です。
上写真の2機種をデスク上に配置、足元にもう1機種設置しています。
ワイヤレスシステム【BOSS WL-50】
上写真の右側はBOSSのWL-50というワイヤレスシステムです。周りのギタリスト、ベーシストを見てみるとワイヤレスシステムを使っている方はまだまだ少なく感じます。しかし近年安い製品が出てきたこともあり、以前よりは増えてきた印象です。
WL-50は2018年に発売され、この頃からBOSS大好きマンになり始めていたので即買いしました。パワーサプライを買いに楽器店に行ったときに見つけ、ついでに買って帰った記憶があります。
ついでの方が高かったよね...。
購入後からしばらくしてから音楽活動から完全に離れていたため数年眠っていましたが、ボカロPを始めてからは大活躍です。後述するマルチエフェクターでギターもベースも音作りをしているため、これを各楽器に付け替えるだけで録音ができます。
チューナー【KORG Pitchblack+】
上写真の左側はKORGのPitchblack+というチューナーです。高校生の頃から愛用しており10年以上使っているので、かなり年季が入っています。
当時はコンパクトタイプのチューナーでこの機能と精度はすごい!という印象でしたが、今はPolytune3などもっと機能も精度も良くコンパクトな製品もあります。Pitchblack+は廃盤になってしまっていますが、そうでなくても今おすすめできるチューナーではありません。
それでも尚使っている理由は、右側についているスイッチ(上にAと書いてある部分)が便利だからです。僕は最近楽曲を制作する際、チューニングピッチを442Hzで行っていますが440Hzでチューニングしたい時もあります。そんな時にこのスイッチを押すことで簡単にピッチを変更できます。
とは言えPolytune3もピッチ変更はそこまで手間ではありませんし、毎日切り替える程のものでもありません。多分そのうち買い換えると思います。
マルチエフェクター【BOSS GT-1000】
ギター用エフェクターはBOSSのフラッグシップモデルであるGT-1000を使用しています。GT-1000が発売されて5年以上経つようですが、発売当時はこの魅力に気付きませんでした。
長年コンパクトエフェクター派でしたが、今ではギターもベースもGT-1000のみで音作りをしています。
以前はギター(ベース)→エフェクターボード→オーディオインターフェイス→Macと接続し、Amplitubeのアンプシミュレーターに繋ぐという方法で音作りをしていました。GT-1000導入後は、ギター(ベース)→GT-1000で音作り→Macと接続、これだけです。
GT-1000はオーディオインターフェイスとしての機能も兼ね備えており、作った音をそのままDAWに送ってくれます。これの良い所は各楽器トラックにアンシミュプラグインを挿す必要がないため、僕のように低スペック端末を使っている人にとってはすごく助かります。
ちなみにMacとGT-1000をBluetooth接続することで、Mac上のアプリ(無料)で音作りが可能です。宅録時はDAWのプラグインで音作りをする感覚で音作りができます。パッチの切り替えもアプリ上できるので、本体を触ることはほとんどありません。
ドッキングステーション【GIISSMO 4-IN-2 USB C】
これはMacBookに限った話ではありませんが、薄型PCはUSBの接続端子数が少ないです。僕のMacBookはUSB C×2とイヤホンの接続端子しか付いていません。しかも充電にUSB Cを1箇所使うため、実質接続端子はUSB C1箇所のみです。
これだとMIDIキーボード繋いだらもう何も繋げなくなっちゃう...。
そこで役立つのがUSBハブですが、僕のように「外部ディスプレイに接続したい」「ネットは有線で接続したい」と思う人には物足りません。そんな欲張りな方に便利なのがこのドッキングステーションです。
ここまで紹介した数々の機器全てと充電、LANケーブルがこの1台に集約されMacBookに接続されています。しかもこのケーブル1本だけで。
(モニタースピーカーとヘッドホンはオーディオインターフェイスに接続されています)
前面には10Gpsでのデータ転送可能なUSB C端子が備わっています。僕はここに外付けSSDを接続しています。2つ上の写真に写っている玄人志向と書いてあるダサいやつが外付けSSDです。中にM.2規格のSSDが入っています。
IT系に詳しくない方には「何言ってるの?」となるかもしれませんが、簡単に言うと「超早いハードディスクを超早い場所に繋いで超早くデータをやり取りできる」というかんじです。
DTMは様々な音源を使用し、音源によると50GB以上に及ぶ物もあります。それら全てを端末に入れることができれば良いのですが、端末容量が少ないとすぐ容量不足に陥ってしまいます。そこで僕のように外部ストレージに音源を保管し、そこからデータを引っ張ってくるという手法を取る方も多いです。
その際、このドッキングステーションのようにデータ転送速度の早い端子が1つでも付いているととても便利です。
パワーディストリビューター【FURMAN M-8X2】
電源の供給はFURMANのM-8X2を2台使用しています。ラック式の機材が出てくるとすごく難しく感じますが、この機材は難しい物ではなく「音響機器に向いた電源タップ」です。全面に1箇所と裏側に8箇所コンセントがついています。
DTMは電源類をとても多く使うので、電源タップを使っている方は多いと思います。しかし電源タップによるタコ足配線はノイズの原因になったり火災や雷による機材故障といったリスクがあります。そのリスクから守ってくれるのがこのパワーディストリビューターです。
これに加えパワーディストリビューターはクリーンな電気を流してくれるので、ギター録音時にノイズを少なくしてくれます。
コンセントが違うだけで本当にノイズ量が変わるの!?
って思いそうだけど実際すごく減ったよ。
部屋とデスク
ここまでは機材を紹介しましたが、最後に紹介するのは僕の作業部屋とデスクについてです。
防音室
僕の作業部屋はボカロP、DTMer、ギタリスト、みんなの憧れ防音室です。簡易的な設置型ではなく部屋全体が防音室です。
ちなみにこれはボカロPを始めたから作ったという訳ではありません。3年ほど前から注文住宅で家を建てる計画を立てており、その頃から防音室を作る計画がありました。たまたまタイミング的にボカロPを始めて約半年後、いろいろな方と交流を始めた頃から家が建ち始めたのでいいネタになったと思います(笑)実際に割と反響があったり、今でもたまに聞かれたりネタにされたりすることもあります。
Xで「#エモリス防音室」と検索してもらえると、工事中の写真等が出てきます。身バレ防止の観点や単純に忙しかったこと等からあまり多くは載せられていませんが、もし気になる方がいましたらぜひ見てみてください。
この防音室はDAIKENのスタンダード防音というもので、部屋の広さは約10畳です。もっと上のグレードもありましたが、予算の都合と家の配置から見た周囲への騒音を考えるとそこまで必要無いと判断しました。結果、大満足のいく防音室です。
ちなみに設置型の防音室を置いている方は導入費用を「軽自動車が新車で買えるくらい」と表現されることが多いですが、うちは多分「ミドルサイズのファミリーカーが新車で買えるくらい」ではないかと思います。
防音性能や遮音性能、反響といったことについては全くの無知です。せっかく良い防音室を作ったので、そのうちしっかり勉強してより良い環境を作れたらなとは思っています。
電動昇降デスク【MAIDESITE T2 Pro Plus + Kanademono】
僕が使用しているデスクは、在宅ワークが多くなったことで一時期話題になった電動昇降デスクです。それまではお値段以上の何かが得られるという家具屋さんで購入したデスクを使用していました。
お値段以上デスクは他の場所や用途で使用しようか等考えましたが、昇降デスクの横に置き高さを合わせてL字デスクのように使えるように設置しています。
※2023年12月追記:
こどもが遊ぶスペース確保のため、一旦退けてDTMデスクの裏に置いています。いずれ戻すつもりです。
見ての通りですが、右側が昇降デスク、左側がニトリデスクです。ちなみにサイズ感はニトリデスクが幅120cm奥行き45cmとややコンパクト、昇降デスクは幅180cm奥行き800cmとかなり大きめです。
昇降デスクは脚と天板を別で購入しました。脚はAmazon限定ブランドMAIDESITEのT2 Pro Plus、天板はKanademonoで購入したものを使っています。かなり悩んで購入しましたが、この組み合わせは個人的に使い勝手もコスパも最高のデスクだと思います。
何故Amazon限定ブランドのMAIDESITEにしたのか、どういった点でおすすめなのか等はまた別記事で紹介します。
さいごに
とても長い記事になりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。僕自身いろんな方のデスクをブログやSNS、YouTube等で参考にしながらこのデスクを作り上げました。今度は誰かの参考になりたいという思いで細かく書いていきました。1人でもこの記事が「参考になったよ!」と思ってくれると嬉しいです。
もしこれからボカロPやDTMを始めようと思っている方が見ると「こんなに揃えないといけないの?」となるかもしれませんが、そんなことはありません。省スペースで僕よりはるかにすごい楽曲を作っている方もたくさんいます。機材を揃えることでモチベーションや作業効率は上がりますが、楽曲作成の技術は残念ながら上がりません。
最後に僕がボカロPを始めた頃からしばらくこれで作業していた作業環境を再現して写真を撮ったので、それを載せて終わろうと思います。
結局これさえあればDTMもボカロPもできるよ。
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