近年、ボカロPとして活動を始める人が増えています。
ボカロPは、活動を通してその枠を超えた音楽家としてデビューした人もいるほど夢ある活動です。
燃えてる人ボカロPとして活動してみたい!
そんな方に向けて、この記事ではボカロPとして活動を始める方法を5つのステップに分けて解説します。
- ボカロPになるための5ステップ
- ボカロPの参入ハードルが高い理由
ボカロ Pとは?


ボカロPとは、合成音声を使用し楽曲を制作するクリエイターのことです。
ボカロPの音楽クリエイターとしての特徴については、以下の記事で詳しく解説しています。


ボカロPは誰でもなれる



音楽経験ない僕でもボカロPになれるかな?



もちろん!ボカロPは誰でもなることができるよ。
ボカロPは機材を揃えしっかり勉強をすれば、音楽初心者でもなることができます。
パソコンとネット環境さえあれば、家にいながら準備から実際の活動まで可能です。



家にいながらできるのはすごくいいね!
ボカロPは参入ハードルが高い
ボカロPは誰でもなれる一方、以下のような理由から参入のハードルが高い分野だと言えます。


とにかくお金がかかる
ボカロPとして活動するには、とにかくお金がかかります。


このように「最初に揃えて終わり」ではなく、継続的にお金がかかります。



お金がいくらあっても足りなさそう。



プラグインは頻繁にセールをしてるから、それをうまく利用するのがコツだよ。
ボカロPを始めるにあたって必要なものなどは、また別の記事で解説します。
音楽知識が必要
ボカロPとして活動=楽曲制作である以上、音楽知識が必要です。
正確には「音楽知識があった方が曲を作りやすい」です。



でも音楽知識って難しそう。



すごく難しいし、正直あまり楽しくない...。
音楽知識は非常に難しく、「楽曲制作をしたくて勉強を始めたけど難しくて挫折した」というケースを実際にみてきました。
そのため、理論を徹底的に学ぶより"楽曲を作りながら勉強して楽しく学ぶ"ことをお勧めします。
ボカロPになるための5ステップ


次に、ボカロPになるための方法を以下の5ステップにわけて解説します。
- ボカロの基礎を学ぶ
- 作曲の基礎・音楽理論を学ぶ
- 独自の音楽スタイルを見つける
- オリジナル曲を作る
- 作品を発表する



この5つを深掘りしていくよ。
ここで言う"ボカロ"は、
・Synthesizer V
・CeVIO AI
等含む、合成音声ソフト全般を指します。
※ここで紹介する方法はあくまで一例です。必ずしもこの通りにしなければボカロPになれないといったものではありません。
1.ボカロの基礎を学ぶ
ボカロPとして活動していく第一歩目は、ボカロの基礎を学ぶことです。
元々ボカロが好き、興味があったという方の中にはボカロに関して学ぶ必要はないかもしれません。
しかしそうでない方は、"どんなキャラクターがいてどのように歌ってもらうか"を知っている方は少ないと思います。



ちなみに僕は完全に無知な状態から始めたよ。
ボカロPとして始める以上、ボカロに対する知識をしっかりと身につけましょう。
合成音声ソフト
ボカロに楽曲を歌ってもらうには、専用のソフトを使用します。
以下は僕が使用している『VOCALOID6』のエディタ画面です。


このようにピアノロール上に音程と歌詞を入力し、歌ってもらいます。



こうやって編集するんだ。
合成音声ソフトの種類
十数年前までは「合成音声ソフト = VOCALOID」といったイメージでしたが、2025年現在はさまざまな合成音声ソフトが販売されています。



有名なもので言うとこんなかんじ。
- VOCALOID
- CeVIO AI
- Synthesizer V
- NEUTRINO
- UTAU
ソフトによって画面デザインや使い勝手の違いはありますが、音程と歌詞を入力するという基本的な点は同じです。
ボカロキャラクター
ボカロPとして活動する上で最も重要となるのが、使用するキャラクター(音声ライブラリ)の選定です。
ボカロPにとって、このパートナー探しは非常に重要なポイントです。
主なキャラクターとして、以下の子たちがいます。
- 初音ミク/VOCALOID, NT
- 可不/CeVIO AI
- 重音テト/UTAU, Synthesizer V
- 小春六花/Synthesizer V
- ずんだもん/VOICEVOX, NEUTRINO
ボカロキャラクターの選び方
ボカロキャラクターは、それぞれ歌声の性質や歌い方の特徴、得意とする音域が違います。
それ以外にもビジュアル面やキャラクターとしての性格等が設定されています。
キャラクターを選ぶ基準として、
・歌声で決める
・ビジュアルや性格で決める
・自分の曲に合いそうな歌声で決める
どのように選んでも正解です。



音楽的に選ぶなら、自分の楽曲の雰囲気やキーにあった歌い方をする子を選んでみよう。
"人気キャラを使う"も戦略のひとつ
2025年現在、かなり多くの合成音声ソフトとキャラクターがいます。
しかし、たくさん選択肢がありすぎることで



ボカロキャラクターたくさんいて悩む...どの子にしよう。
このように悩んでしまう方もいるかもしれません。



そういったときは、あえて"人気キャラクター"を選んでみよう!
人気キャラクターはその都度変わりますが、この記事を書いている2025年11月時点では『重音テト』『宮舞モカ』あたりでしょうか。
僕がボカロPとして始めた頃は『初音ミク』『可不』が人気でした。
リスナーは「このキャラクターを使用しているからこの曲を聴いてみよう」という聴き方をすることもあります。
あえて人気キャラクターを選定することも、再生数を得るための戦略です。
2.独自の音楽スタイルを見つける
ボカロ楽曲は、音楽ジャンルや使用できる楽器の種類・数に縛りがありません。
そのため、独自の音楽スタイルを確立させることが重要です。
音楽ジャンルの制限は無い



ボカロ楽曲のジャンルって決まりがないの?



"ボカロを使用した楽曲"という点以外の制約はないよ。
ボカロ楽曲には、
・ポップスやロック等のJPOP
・エレクトロなEDM
・激しい演奏が特徴のメタル
といったさまざまな音楽が混在しています。
これは、それぞれのボカロPが自由に楽曲を制作していることによるものです。
多くは"自分の得意分野"のジャンルを制作しているため、どのジャンルの楽曲も完成度が高く聴くだけでも非常に良い刺激になります。
得意・好きな分野から音楽スタイルを決める
ボカロPとして活動する前に、どのような音楽スタイルで活動するかを決めましょう。
制作する音楽スタイルを決めておくことで、それに合った楽器や音作りを分析しやすくなります。



好きな音楽や得意なスタイルから選ぼう。
僕は元バンドマンということもあり、基本はバンドサウンドで楽曲を作っています。
しかし、それだけでは他の人と差別化ができないので、最近は「いろいろなジャンルをごちゃ混ぜにしたロック」を作っています。
\1102の楽曲はこちら/
途中でスタイルがブレてもOK



ジャンルを決めたら途中で変えたらダメなの?



そんなことないよ!
ボカロPを始める前に決めたジャンルをブレずに突き通すことは非常に難しいです。
そういう僕も、ボカロPを始める前は考えもしなかったEDM要素を楽曲に取り入れるという大きなブレが発生しています🥹
実際に楽曲を制作する中で、
・自分の好きなアーティストの音作りを真似する
・実験的なアプローチをしてみる
・異なるジャンルの音楽要素を組み合わせる
このように常に新しいことに挑戦し、独自の音楽スタイルを見つけましょう。
3.作曲の基礎・音楽理論を学ぶ
楽曲を制作するには、どうしても音楽に関する基礎や理論が必要です。
「ボカロPを始めたいけどどうしようか迷っている」という方の大多数は、ここに悩んでいるのではないでしょうか。
"今"音楽がわからなくても曲は作れる!



音楽の成績も悪くて楽器も弾けない...でもボカロPになってみたい。



大丈夫!大変かもしれないけど絶対なれるよ。
- 学校で音楽の成績が極端に低かった
- 楽譜が読めない
- 演奏できる楽器がない
このような方でも、正しく努力すれば必ずボカロPになれます。
音楽理論は絶対に必要?
音楽理論は必要派と不要派に分かれますが、僕はどちらかというと必要派です。
その上で音楽理論が"絶対"に必要かどうかは、作りたいジャンルによって大きく変わります。
例えばJPOPやJROCKといった音楽を作りたい場合、音楽理論の習得は必須です。



ボカロPを始めたい人の多くは当てはまりそうだね。
一方、EDMやHipHopといった電子音楽は、サンプル素材を活用することで音楽理論無しでも制作可能です。



ある意味"サンプル素材の活用"は現代音楽理論かも?
とはいえ、電子音楽でも音楽理論を理解している方が、展開づけやメロディ構築の幅が広がり、最終的なクオリティに差が出ます。
結論として、どのジャンルにおいても
「キー(調)・スケール(音階)・コード(和音)」
最低限この3点を理解していた方が、スムーズに楽曲制作が進むと僕は考えます。
楽曲を作りながら学ぼう
僕は「音楽理論は必要派」と言いましたが、ぶっちゃけ音楽理論の勉強は難しく楽しくありません。
ボカロPを始めるために徹底的に音楽理論を勉強しようとすると、高確率でボカロ活動を始める前に挫折します。



だったらどうすればいいの?



楽曲を作りながら勉強しよう!
音楽理論を学びそれを実践しながら楽曲を作ることで、楽しく音楽理論を学べます。
また、ボカロPとして楽曲を制作するには音楽理論に加えDTMスキルも必要です。
実際に楽曲を作りながら音楽理論とDTMスキルを楽しく身につけることで、挫折率がグッと下がるはずです。
DTMの難しさについては以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ合わせてごらんください。


楽器は弾けなくてもOK
「曲を作るには何かしら楽器が演奏できないといけないのでは?」と思っている方も多いようです。
しかし、楽曲制作に楽器が演奏できるできないは関係ありません。



もちろん、できた方が有利ではあるけどね。
4.オリジナル曲を作る



ここまできたら、ついにオリジナル曲を作っていくよ!
楽曲制作の手順
楽曲制作の手順は人によってさまざまですが、僕は以下のように進めています。
- コード進行を決める
- ドラムビートを作る
- コードに合わせてメロディを作る
- 楽曲の編曲
- 作詞してボカロに歌ってもらう
- ミックス・マスタリング
僕は3年間の活動で約10曲ほど作りましたが、いずれもこの手順です。



もっと細かく分けると、変わった部分もあるけどね。
メロティ先行型とコード進行先行型
楽曲制作手順として良いとされるのは、メロディを先に作って後からコード進行をつける"メロディ先行型"です。
コード進行を先に作るとありきたりなコード進行になり、メロディ作りにも制限が出るためです。



でもその逆で作っているんだね。
これは、僕は楽曲制作においての重要度が
「メロディ < 雰囲気やビート感」
だからです。
そのため、まずは楽曲全体の響きを決めるコード進行とビートを作り、その上にメロディを載せるという作曲方法を取っています。



もちろん、メロティを適当に作っているわけではないよ。
手順に正解はない
一般的に「コード進行よりメロディを先に作る方が良い」と言われているものの、初心者にとってはメロディから作る方が難しいです。



後から合うコード進行を探すのも難しい...。
しかし、楽曲制作の手順は人によって異なり、どれが正解で不正解などはありません。
正解や不正解を意識しすぎると、難しい楽曲制作がさらに難しく感じてしまいます。
- ドラムパートから作る
- ベースラインから作る
- ギターを弾いてそれに合わせて作る
- シンセのフレーズから展開させていく
上記のような方法もありますので、まずは自分の作りたい手順で作ってみましょう。
5.楽曲を投稿する



楽曲が作れたら、楽曲を投稿しよう!



ここまでくれば立派なボカロPだね!
楽曲を投稿する方法
楽曲を投稿する方法として、主に以下のようなものがあります。
- ニコニコ動画・YouTubeに投稿
- サブスク配信
- Sound Cloudに投稿
動画投稿は必須
先述した楽曲投稿をする方法の中で一番楽曲を聴いてもらいやすいのは、やはり「ニコニコ動画・YouTubeに投稿」することです。
しかしこの場合、イラストを用意してMVまで作る必要があります。
MVは自分で作る方法と依頼して作る方法がありますが、いずれも手間とお金がかかります。
そのため、



だったら楽曲配信だけにしようかな。
このように考える方も少なくありません。
しかしボカロ楽曲のリスナーは、YouTubeやニコニコ動画といった動画投稿サイトで楽曲を視聴する傾向があります。



最近はTik Tokで聴くって話も...。
動画投稿をした方が圧倒的に聴いてもらいやすい、つまり動画投稿は必須だと言えるでしょう。
お金をかけずに動画を作るには



イラスト描いて動画作るのは大変だけど、依頼するお金もない。
このような方は、簡単な動画であれば自分でお金をかけず作ることも可能です。
piaproというサイトにはたくさんの絵師がイラストを投稿しており、自由に使うことができます。



利用規約があるイラストもあるから、しっかり確認してね。
そのイラストをお借りし、AviUtlやDaVinci Resolveといった無料で使える動画編集ソフトを使用し歌詞を載せるだけの簡単な動画から作ってみましょう。



それだったら何とか頑張れそう!
Piaproに投稿されたイラストはどれも思いの込められた作品です。
それお借りする立場として、借りる際は必ず一言お伝えしましょう。
まとめ
以上、ボカロPになるための5つのステップでした。
ボカロPは誰でもなることができますが、まずは基礎をしっかりと学ぶことが大切です。
情報をインプットしつつ、オリジナル曲を作りどんどん投稿していきましょう。
また、この5つのステップはあくまで一例です。
基礎を勉強することに疲れたら何も考えずに作ってみるなど、自分にあった方法で活動することが大切です。
ぜひボカロPとして一緒に楽しんでいきましょう!






