「🔍DTM 初心者 モニタースピーカー」
このように検索すると必ずと言っていい程出てくるYAMAHA HS5。

名前はよく見かけるけど、実際どうなの?
「HS5って実際どうなの」
「本当に初心者におすすめなの?」
と気になっているDTM初心者は多いのではないでしょうか。

僕も初心者時代、同じ疑問を抱えながらHS5を購入したよ。
HS5を購入し2年間使用した結果、
「買ってよかった!」
「初心者には本当におすすめ」
と、実感しています。
この記事では、DT初心者としてHS5を実際に使用して感じた
・HS5が初心者におすすめだと思えた理由
・2年間使用して感じたメリット・デメリット
について、詳しくレビューしていきます。
また、記事の最後には僕の楽曲をもとに「このように楽曲クオリティが向上した」という具体例も紹介します。
運営者情報

1102(ひとつ)
2022年8月「ヒトツノオト」でデビューしたギター歴10年以上のボカロP。
バンドサウンドを主軸とした楽曲を制作。
ニコニコ動画、YouTubeに楽曲動画配信中。
YAMAHA HS5とは?


HS5ってよく聞くけどどんなスピーカーなの?

音質良しコスパ良しの定番モニタースピーカーだよ。

レビューに入る前に、YAMAHA HS5がどういったスピーカーなのかを簡単に解説します。
「早くレビューが聞きたい!」という方はサクッと次の項目へスキップしてください。
HSシリーズの中核を担う定番モニタースピーカー
HS5は、YAMAHAが展開するモニタースピーカー「HSシリーズ」の中核を担うモデルです。
HS5は以下の点でバランスが取れており、HSシリーズの中で最も人気のあるモデルです。

初めてのモニタースピーカーに最適だね!
また、HSシリーズには
[HS3・HS4・HS5・HS7・HS8]
という5種類ラインナップされています。

さらに、それぞれ白色と黒色があるよ。
HS5の基本スペック
HS5の基本スペックは以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
ウーファー | 5インチ |
ツイーター | 1インチドーム型 |
再生周波数帯域 | 54Hz〜30kHz |
出力 | LF 45W + HF 25W(合計70W) |
入力端子 | XLR(バランス)/TRSフォーン(バランス) |
サイズ/重量 | 170W × 285H × 222D mm / 約5.3kg |
スピーカー方式 | リアバスレフ/バイアンプ |
YAMAHAのHSシリーズの各モデルは、「HS5」のように末尾に数字が付いています。
これはウーファーのサイズを示しているもので、数字が大きくなるにつれてウーファーのサイズ大きくなります。

HS"5"だからウーファーが"5インチ"なんだね!
ウーファーが大きくなることで低域の再生能力が向上し、さらに大きな音量でリスニングが可能となります。

合わせて本体サイズと価格も大きく向上!
HSシリーズの比較については別の記事で詳しく解説していますので、HS5以外のシリーズも気になっている方は合わせてご覧ください。
YAMAHA HS5を選んだ理由

まずは、僕が初めてのモニタースピーカーとしてHS5を選んだ理由について紹介します。
使っている人が多かった
HS5を選んだ一番の理由は"使っている人が多かったから"です。
僕はDTM・ボカロPを始めてから、多くのDTMerやボカロPの方とX(旧Twitter)交流してきました。
その中で使用機材などの情報交換をしていると、「HS5を使っている」という方が非常に多い印象でした。
さらにHSシリーズはDTMerやボカロPだけでなく、プロの音楽家や有名アーディストも使用している定番モニタースピーカーです。
つまり、HS5を導入することで多くのDTMerやボカロP、プロのクリエイターの方と"同じ基準の音"が得られるということになります。

音の良し悪し判断しづらい初心者にとって、これはすごく大きなメリット!

"プロも使っている"は初心者にとって大きな安心材料だね!
ちなみに僕は「人と同じものはあまり使いたくない」というやや捻くれた性格をしています。
しかし音に関しては自信がなく、素直に"多くの人が使っている=信頼できる"という理由でHS5を選びました。

やっぱり多くの人が使っていることによる安心感は強い。
デザインがかっこいい!
機材選びにおいて、性能と同じくらい重要なのがデザイン性です。

僕はシンプルで無駄のないデザインが好き。
HS5は前面・背面ともに無駄がなく、非常にスマートなボディをしています。


さりげなく光る前面のYAMAHAロゴがイカすじゃん。
デザインの好みは人それぞれではありますが、僕のようにシンプルなデザインが好きな人にはたまらないデザインだと思います。

好みの見た目ってだけで制作意欲が湧いてくるよ!
"YAMAHA"ブランドの信頼感
モニタースピーカーを販売しているメーカーは数多くありますが、その中でもYAMAHAは信頼感のある音楽ブランドです。
僕はギターアンプとしてYAMAHAのTHR10を所有しており、その品質の高さを実感していました。


さりげなく光る真空管的演出がイカすじゃん。

自宅練習用としてFender、Marshall、VOXとかいろいろ使ってきたけど、その中でも飛び抜けて好きなアンプ。
このアンプがあることで、「YAMAHAのモニタースピーカーが悪いわけがない!」という謎の信頼感を持って購入できました。
関連記事:
結論:HS5は初心者におすすめ!


結論から言うと、HS5はDTM初心者に超おすすめ!
ここからは実際に僕がDTM初心者としてHS5を購入し、2年間使用した感想と初心者におすすめできると感じた理由について紹介していきます。
これまでのリスング環境との違い
僕がHS5を導入したのは、DTMをはじめて1年ほど経ったタイミングです。

今はDTM歴3年で、HS5を使い始めて2年が経過したよ。
初のモニタースピーカーとしてHS5を選び、これまでのリスニング環境との違いに驚きました。

それまでは何で音を聴いていたの?
HS5を導入した感想をお伝えする前に、まずは導入前の環境からお伝えします。
HS5導入前のリスニング環境
HS5導入前の主なリスニング環境は以下の通りです。
SONY MDR-CD900STをメインで使用し、他に挙げている環境で確認するといった流れでした。
MDR-CD900STが基準

HS5導入前は、SONYのMDR-CD900STをメインで使用していました。
通称「赤帯」と呼ばれるヘッドホンです。名前が長いので、以降900STと表記します。
900STはもともとギターの自宅練習用として所有しており、DTMを始めてから約1年間は以下のような流れで使用していました。
- 900STで作曲から録音
- 900STでミックス・マスタリング
- その他スピーカーやAirPodsで確認

全然それで良いじゃん!!!

それが...そうでもないのよ。
MDR-CD900STはミックスには不向き
当時は900STでミックスした楽曲を他のスピーカーで聴くと「なんか違う...」と感じることがよくありました。

これに悩み調べていくと、

DTMはヘッドホンだけではなくスピーカーも併用した方が良い。
という情報が多く見られ、初心者用モニタースピーカーとしておすすめされているHS5を導入しました。
これは後から知りましたが、、、
900STはモニター用でありミックスやマスタリングには向いていないようです。
(この話は長くなるため、また別の記事で書いていきます。)
ここからは昔のメインだった900STとの比較が多くなります。
誤解のないようにですが、900ST自体は決して悪いヘッドホンではありません。

ギターを録音するときは今でも酷使しているよ。
ミックスの基準が作りやすい
HS5を使用して最も感じたのが、「ミックスの基準が作りやすい」という点です。
この"基準"を意識するかどうかで、楽曲の仕上がりに大きな差が出ます。
MDR-CD900STでミックスをしていた頃
900STでミックスをしていた頃は、他のスピーカーで確認するとあまりに音が違い過ぎると感じることが多々ありました。

そのため、ミックス時に通常のスピーカーを基準としてみたりAirPodsを基準としてみたり...などなど、基準となるリスニング環境が定まっていませんでした。

いろいろな基準があった方が良いんじゃないの?
環境を変えると正解がわからなくなる
リスニング環境が変わると、同じ曲でも聴こえ方が大きく変わってしまいます。
プロのように複数の環境で最終確認するのは理想的ですが、初心者のうちは逆に迷走する原因になりやすいです。
環境を変えて聴く
↓
音が変わる
↓
ミックスに戻る
このループをしてしまうと
何が正解かわからなくなってしまう。

よく言われるミックス沼ってやつだね。
だからこそ初心者のうちから、"信頼できる1つの基準"を持つことが大切です。
実際、HS5で違和感なく制作できた楽曲を他の環境で聴いても、900STのように音が破綻していると感じたことはありません。

そういった意味でもHS5は信頼できる基準として最適なスピーカーなんだね。
他の環境と聴き比べるのは"次のステップ"と考え、まずは基準のスピーカー"だけ"で良いのでバランスの取れた楽曲を制作できるようになりましょう。
楽曲制作の効率が上がる
HS5を導入して音の基準が明確になったことで、楽曲制作の効率が大きく向上しました。

どうして基準が明確になると効率が上がるの?

"どの音が正解か"を悩む時間が減るから!迷う時間が減って、結果的に効率が上がるよ。
効率が上がれば楽曲を完成させるスピードが上がり、その分多くの楽曲に取り組めます。
タイパが良いってやつです。
他のスピーカーで聴いた時のズレが減った
900STで仕上げた音源を他の環境で聴くと、高確率で「こんな音だったっけ...?」と感じていました。
特にカーオーディオが凄まじく、ミックスの粗が鮮明に現れます。

それはシンプルに下手なだけじゃない?
もちろん、DTM初心者として技術不足も要因のひとつだったと思います。
しかしHS5でフラットな音を基準にして以降、音のバランスが大きく崩れることが減りました。
結果、どんな環境でもそれなりに聴こえる楽曲制作ができるようになり、ミックスやり直し等の手間が少なくなりました。

残念ながら、やり直しがゼロになったわけじゃないけどね...。
音の広がりがわかるようになった
900STはパンニングの判断には使えますが、ステレオの広がりや奥行きを把握するにはやや不十分に感じました。
当時作った楽曲をHS5で聴くと、ステレオの広がりや空間の奥行きが弱く感じます。
イメージ的には、以下のように聴こえてきます。


イメージし辛いかもしれないけど、全く違って聴こえるよ。
コスパが良く初期投資として最適!
DTMをする方の多くは音楽が大好きで、お気に入りのスピーカーを既に1つは持っているのではないでしょうか。
僕自身もそうでしたが、初期投資を下げるためにまずはそのスピーカーをDTMのリスニング用として使うことが思い浮かぶと思います。
初期投資を避けてリスニング用スピーカーを使用すると...
よくあるリスニング用のスピーカーは、
・低域が強調
・ステレオ感を派手に演出
という特徴を持っていることが多いです。
こういったスピーカーでミックス作業を行うと、実際にはバランスが崩れているのに良く聴こえてしまうことがあります。
結果、「完成後に他の環境で聞くと違和感を感じる」という状態に陥ってしまいます。

もちろん楽曲を楽しく聴く目的としては、こういったスピーカーは非常に優秀です。
しかしDTM用途においては、フラットな音が出るモニタースピーカーを基準にすることが大切です。
特に初心者ほど、この差がミックス結果に大きく影響されます。
HS5はコスパが最強
HSシリーズは全体的にコスパが良く、その中でもHS5は最もコスパが高いモデルです。

とは言ってもペアで3万円は高いよ...。
確かに"スピーカー"として見るとペアで3万円は高く感じるかもしれません。が、"モニタースピーカー"として見ると、どちらかというと低価格帯になります。


これで低価格帯ってすごいね。

音楽はとにかくお金がかかる...。
ペアで10万円前後するFocalなど高級モニタースピーカーと比較すると音質が劣ってしまうのも事実。
しかし価格に対して、
フラットな音質・耐久性を考えるとHS5は非常にコスパに優れた選択!
他のサイズはどう?
HSシリーズにはHS5を除くと4つのモデルがあり、それぞれ以下のような特徴を持ちます。
HS3とHS4はコンパクトで価格も安価ですが、DTM用途としては音の迫力や解像度に物足りなさがあります。


逆に動画編集用とかには最適!
一方、HS7やHS8は低域の再現力が高く、より豊かなサウンドを得られます。
しかしその性能を活かすにはある程度の音量が必要となり、趣味としてDTMをしている場合そこまでの大音量で作業できる方は少ないと思います。

アパートやマンションだと騒音問題に発展しそうだね。
さらにHS7・8は低域の再現力だけでなく、価格も上がります。

正直、この価格帯となるとHS5のような"コスパの良さ"は感じられません。

価格的にHSシリーズ以外も選択肢に入れた方が良いかも!
YAMAHA HS5のメリット・デメリット


逆に2年間HS5を使って感じたデメリットとかないの?

もちろんあるよ。
次は、HS5を実際に2年間使用して感じたメリットとデメリットについて紹介します。
HS5のメリット
まずはHS5を導入してから感じたメリットについてです。
すでに記事内で触れた内容も含まれますが、改めて整理していきます。
フラットな音質

一番のメリットはやっぱり音質がフラットなところ!
フラットな音質の何が良いか、なぜDTMに向いているかは当記事内でも解説済みですので、ここでは割愛します。
HS5はフラットな音質故、
「音楽鑑賞用途には向かない」
「つまらない音」
と言われることがあります。

そりゃ音楽鑑賞には低音アゲアゲ系スピーカーっしょ。

ガチでそれな。

だよねー。
頻繁にクラブに通い踊っている人
ミニバンのトランクにウーファーを積んで低音をズンズン響かせながら車に乗っている人
僕の妻
このような「低音が好きな人」にとってHS5は物足りない と感じるかもしれません。
しかし、僕のようなフラットな気持ちで音楽を聴きたい人にとっては、音楽鑑賞用途としても十分楽しめるスピーカーです。
バンド系・EDM系の楽曲をよく聴きますが、いずれもHS5のナチュラルな音で聴くのが一番しっくりときます。

ブログ書くときはいつもHS5で音楽を流しているけど、物足りなさは全く感じないよ。
楽曲制作者目線で聴くと、
・音のバランス
・音の使い方
・ステレオの広がり
・音数と使われている音の種類
これらがクリアに聴こえるため、
物足りないどころかむしろ「聴いていて楽しいスピーカー」だと感じています。
コスパが良い
HS5は コストパフォーマンスにも優れたスピーカーです。
とはいえ3万円以上するため、"スピーカー"として見ると高く感じるかもしれません。
しかし"モニタースピーカー"として見ると、この価格はむしろリーズナブルな部類に入ります。

でもやっぱり3万円超えるスピーカーは高いって感じる。
僕はこれまでに数種類のミニコンポやスピーカー、小型のポータブルスピーカー等を使用してきました。
いずれも高額なものではなく、ほとんどのスピーカーはHS5よりは安価でした。
こういったスピーカーを使用してきた上で、初めてHS5から音を出したときに音の鮮明さに感動しました。
買う前は僕も、

3万円のスピーカーは高いなぁ、勇気いるなぁ...。
と思っていましたが、実際に購入してからはそのクオリティの高さに決して高い金額ではないと感じています。
1〜2万円ほどの観賞用スピーカーとは音の次元がまるで違うと、はっきりと体感できました。
無駄のないデザイン
HS5は、どんな部屋にも馴染みやすい無駄のないシンプルなデザインです。

本体カラーは"ブラック"と"ホワイト"の2種類が用意されており、デスクや部屋の雰囲気に合わせて選ぶことができます。

マッド色なのも良い!
僕のようにシンプルなデザインが好き、デスク上は常にスッキリとさせておきたいという人には、間違いなく刺さるデザインでしょう。
逆に派手な環境やかわいい環境、カラフルな色使いをした環境が好きな方には物足りないスピーカーかもしれません。
もちろんモニタースピーカーは見た目ではなく音で選ぶべきですが、毎日その前で作業する事を考えると見た目も重要なポイントだと僕は思います。

やる気と制作意欲に直結しそうだよね!
また、HSシリーズ以外も含めたモニタースピーカーの特徴や選び方についてまとめた記事もあります。
ご興味ある方はぜひこちらも合わせてご覧ください。
長時間作業に疲れない
僕はHS5導入前、SONYのMDR-CD900STというヘッドホンで楽曲制作を行っていました。
僕が1日のうちDTMに使う時間は約3〜5時間で、その間ずっとヘッドホンをつけていると頭や耳がかなり疲れてきます。

メガネかけているから特に耳が痛い...。
今でもギター録音時はヘッドホンを使用しています。
しかしスピーカーがあると、
・フレーズの構想中
・録音前の練習
・楽曲構成の見直し
上記のような録音に直結しない作業
↓
スピーカーに切り替える
こうすることで体の負担を大きく減らすことができます!
よく「ヘッドホンがあればスピーカーはいらない」と言う方もいます。
しかし、身体的な疲労や集中力の維持といった観点から見ると、ヘッドホンだけで作業するのは正直しんどいです。

それに、楽曲のステレオ感の確認とかは絶対スピーカーの方が良い!
実際にHS5を導入してから、作業の快適さが格段に向上しました。
楽曲のクオリティ向上の余地
僕はHS5を導入してから、自身の楽曲クオリティが確実に向上したと感じています。
もし以前の僕のようにDTMに適した環境が整っていない状態で作業している方がいれば、HS5を導入するだけで楽曲の仕上がりに大きな変化が生まれる可能性があります。
実際にどのようにクオリティの向上が感じられたかは、次の項で紹介していきます。
HS5のデメリット
次に、HS5を2年間使用して感じたデメリットを紹介します。
低域の不足

HS5はよく"低域が弱い"って言われるよね。
実際、聴き比べる環境によっては「確かに弱いかも」と感じることもあります。

とは言っても楽曲に支障が出るレベルではないかな。
逆にHS5の低域の鳴り方に慣れ制作すると、他のスピーカーで聴いたときに「迫力のあるキックやベースが出ているなぁ」と感じることがあります。
ただし、HS5の音量を小さくすると低域の不足感を強く感じやすいです。
スピーカーはある程度の音量を出さないと本来の力を発揮しにくいため、集合住宅など大きな音が出しにくい環境だと本来の低域が得られない可能性があります。

でもまぁ、それに関しては他のスピーカーでも一緒だよね。
また、HSシリーズには低域を補強するHS8Sというウーファーも販売されています。
もし低域が物足りないと感じた場合、ウーファーを導入するのもひとつの方法です。

ただし低域が増える分、外に漏れる音も増える点は注意が必要です。
僕の部屋は防音室で、HS5の音量を上げながら家の外や部屋の外から漏れる音を確認したことがあります。
その際、まず漏れるのは低域です。特に隣の部屋へはよく低域が漏れるため、集合住宅でのウーファーの使用はやめた方が良いかと思われます。

逆に言うと、HS5単体でもそれだけ低域が出ているのがわかったよ。
オーディオインターフェースが必須
HS5の入力端子は、「XLR」と「TRS」です。
多くのDTMerはパソコンから音を出力しますが、その際オーディオインターフェースやミキサーといった機材が必要となります。

詳しい接続方法について解説した記事もありますので、ぜひ合わせてご覧ください。

パソコンについているステレオミニプラグから分岐すれば解決じゃない?

確かにそれでも"音"は出るよ!
多くのパソコンにはステレオミニプラグの音声出力端子が備わっています。もちろん僕のMacにも付いています。

ここから変換プラグや分岐端子などを駆使すれば、物理的に接続し音を出すことは可能です。
しかし、パソコン内部の音声出力回路は簡易的な構造となっており、以下のような問題が発生する可能性があります。

音楽や映画鑑賞、動画編集においてはそこまで問題にはならないかもしれないね。
HS5を購入検討されている方の多くは、DTMや高音質でのリスニングを目的としているでしょう。
特にDTMの場合、"ノイズまで含めた音の細かいニュアンスまで正確に聞き取り編集"する必要があります。
そのため、HS5を使用する際は「音を高音質でやり取りするための変換装置」としてオーディオインターフェースが必須と言えます。
電源スイッチの位置
HS5はなんと、電源スイッチが背面にあります。


背面って...消すのめんどくさそう。

前面のデザイン性を重視して背面に配置したのかな?割と不便。
DTM環境では複数の機材を使うため、直接コンセントに差すよりも電源タップを使うことが多いと思います。
しかしスピーカーとオーディオインターフェースには、電源を入れる順番と切る順番があるため注意が必要です。

順番を間違えるとどうなるの?

スピーカーに「パチッ」や「ボンッ」って音が入って故障の原因になっちゃう。
僕自身、わかっていながら何度が間違えて切ったことがありますが、明らかにヤバい音がします。
[電源を入れる順番]
オーディオインターフェース→スピーカー
[電源を切る順番]
スピーカー→オーディオインターフェース

だったら、個別に電源が切れるタイプの電源タップが良いね!

それか"パワーコンディショナー"もおすすめ!
パワーコンディショナーとは、ノイズフィルターやサージフィルタ機能がついた高級電源タップのような製品です。
僕は以前、某驚安の殿堂店で1000円程度で購入した電源タップを使用していました。
しかしギターエフェクターのノイズが酷かったため、現在はFrumanのM8×2というリーズナブルなパワーコンディショナーを使用しています。


2台用意して、HS5とオーディオインターフェースの電源をを分けて管理しているよ。
上段はMac等電源を常に入れっぱなしにしておきたいもの、下段はスピーカーやギターエフェクター類など未使用時には電源を切りたいものを接続しています。
まず下段の電源を切りスピーカーの電源オフ、オーディオインターフェースは機材側で電源オフにするという方法をとっています。


でも毎日スピーカーのYAMAHAマーク光っているよね?

それを言うな。
また、高価なパワーコンディショナーには電源をオン・オフにした際、ブロックごとに電源がオン・オフされるといった商品もあります。
こういった機能があれば、意識することなく正しく電源の入り切りができます。
サイズに対して重たい
HS5は5.3Kgとサイズの割に重たいです。これはもう仕方ないです。

家に届いたとき、想像以上に重たくてびっくりした。
設置は大変ですが、1度設置してしまえば基本的に動かすことはありません。
最初だけ頑張りましょう。
HS5導入前後の楽曲クオリティの差

自分で言うのもあれですが、HS5を使用してから僕自身の楽曲のクオリティは向上したと思っています。
最後に導入前後の楽曲を振り返りながら、クオリティ向上のポイントについて紹介します。
曲のリンクを貼っていくので、もし少しでも「良い♡」と思ったらXやニコニコのフォロー、YouTubeのチャンネル登録をして頂けると、とっても嬉しいです🥺🫶

下がリンクだよ、よろしくね♡
Xのフォロバは気まぐれでしている部分がありますが、気軽に「ブログから来ました!」みたいなリプやDMをくれたら即フォロバしにいきます!!
お友達になりましょう⊂(๑・ᴥ・ ๑)⊃
900STがメインだった頃の楽曲の特徴
900STをメインとして使用していた頃の僕が制作した楽曲には、以下のような特徴がありました。
これは当時も薄々感じてはいましたが、今改めて聴いてもやはり同じ感想です。
以下の"エモリス流星群"は900STをメインとして制作した最後の曲です。
この曲は、"曲"として、"タイトル"として、"イラスト"動画を含めた"作品"として、たくさんの思い入れがある一番大切な曲です。
しかし、やはり上記で挙げたような特徴がモロに出ています。

この曲と初投稿曲は絶賛リメイク中!V6ミクちゃん待機中...。
HS5を導入したのはこの楽曲制作の半年後です。
HS5導入後の楽曲
ここからはHS5を導入してからの楽曲を、時系列で紹介します。
高域がうるさいことに気付いた
HS5を導入し、まず気づいたことは高域がうるさいことです。耳がキンキンします。
ちょうどボカロPが同時に楽曲を投稿するイベント"ボカコレ"があり、高域部分に気をつけながら以下の"演算リレーション"を制作し参加しました。
改めて聴いて感じますが、この曲から"高域がキンキンする"は解消されています。
かなり聴きやすくなったと思います。

ちなみに僕は自分の楽曲でこの曲が一番好き。
空間の広がりの無さに気付いた
演算リレーションは私生活が忙しい中急遽作った楽曲で、高域がうるさい部分以外はいつも通りに制作しました。
このときのボカコレでは、他の参加者の楽曲巡回中に「クオリティが高いと思った楽曲を聴いた後で自分の曲を聴く」ということをしていました。

今考えるとかなり鬼畜...。
その中で気づいたのが、空間の広がりが少ないことです。
あとこれはHS5の導入に関係ありませんが、自分がEDMを好きなことにも気づきました。
この空間の広がりと自分の楽曲にEDM要素を混ぜつつ"Bestie"を制作しました。
新しいことに挑戦しているためクオリティとしてはいまいちな点がありつつも、空間処理はかなり改善されています。
総集編
Bestieを制作し気付いた点は、
・中音域が弱い
・スネアの音域が他と被っている部分がある
でした。
中音域に関してはボーカルに譲るように"あえて"カットしていましたが、譲りすぎていました。
また、スネアの音域が他の音と被っていることで、スネアの音が全体的に篭って聴こえるのに加えて「スネアの音が消えたり埋もれている部分」があります。

これは過去曲でも感じたことあったけど原因も対策もわからなくて放置していた部分...
HS5を導入してから気付いたことを盛り込みながら数曲制作し、その経験を経て”星屑のパレット"を制作しました。
しっかり楽曲として聴けるレベルになったと思います。
制作時期としては、エモリス流星群から約1年後、HS5導入から約8ヶ月後です。
最新の楽曲
最後に最新の楽曲"ガチャロック"です。
ボカコレ2025冬参加曲で、この記事を書いている約4ヶ月程前に投稿した楽曲になります。
このあたりからは正直、もうHS5は関係ないと思います(笑)
HS5で音作りや使い方をしっかり学んできたので、この曲では"音"よりも"楽曲の作り方"の方を意識しています。
チラ見せリメイク曲
ここからエモリス流星群に戻って聴くと、やはり空間が狭く感じ高域がキンキンして耳に痛く感じます。
ここまで読んでくれた方のために、せっかくなので"エモリス流星群Remake ver."のインスト音源をチラ見せします。
(ミックス途中&未マスタリングで音量小さいです)
実際にHS5などのモニタースピーカーで聴くとよくわかりますが、リメイク前の曲は真正面から音が飛び出しているように聴こえるのに対し、リメイクバージョンは左右から音がしっかり広がって聴こえます。
このリメイクバージョンは発売が延期になってしまった「初音ミクV6」を待機中です。
本配信決まりましたらXで告知後、YouTube、ニコニコ動画で配信予定です。
まとめ
以上、HS5を2年間使用して感じたレビューでした。
メリットやデメリットを挙げましたが、結果的にメリットが大きく「買ってよかった」と思えるモニタースピーカーです。
この記事内で紹介した楽曲のように、HS5を導入してリスニング環境が整うことで楽曲クオリティにも大きく影響を与えてくれました。
こういった経験からHS5は初心者にこそおすすめしたいモニタースピーカーです。
このレビュー記事が1人でも多くの方のリスニング環境や楽曲クオリティの向上に貢献できたら幸いです。
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