ニコニコ動画上では、頻繁にボカロ楽曲に特化した投稿祭が企画・開催されています。
その中で、最大規模のものが「The VOCALOID Collection(通称ボカコレ)」です。
ボカコレに参加したいけど、

投稿方法を間違えて失格にならないか不安...。
と感じる方も多いのではないでしょうか。
また、ボカロPを始めたばかりで参加を迷っている方もいるかもしれません。



結論から言うと、ボカロP初心者ほどボカコレ参加はおすすめだよ!
当記事では、ボカコレのイベント概要や参加方法についてわかりやすく解説します。
さらに、複数回の参加経験がある現役ボカロPとして感じた"ボカコレの魅力"についてもご紹介します。
ボカコレとは?





ボカコレってどんなイベントなの?



数あるボカロ楽曲イベントの中で最大級の投稿祭だよ。
本記事はボカコレ公式サイトの情報を元に、複数回の参加経験がある僕の視点・体験を交えてまとめています。
また、スマホアプリであるボカコレ(旧nicobox)とは異なるサービスです。
\ボカコレ公式サイトはこちら/
【ドワンゴ主催】ネット最大級のボカロ楽曲投稿祭
The VOCALOID Collection(以下ボカコレ)は、数日間に渡りニコニコ動画上で渡り行われるボカロ楽曲に特化した祭典です。
主催は、ニコニコ動画を運営する日本の企業「株式会社ドワンゴ」です。



参加資格とかはあるの?



部門によってはあるけど、ボカコレというイベントには誰でも参加できるよ!
ニコニコ動画上では、さまざまな規模・種類の投稿祭が行われています。
その中でも最大規模を誇るボカコレは、「ネット最大級のボカロ楽曲投稿祭」です。
ボカコレは2020年冬から始まり、定期開催(約年2回)によりボカロ文化を盛り上げる中心的な存在となっています。
参加対象は幅広い合成音声ソフト



"ボーカロイドコレクション"ってことは、ボカロソフトを使わないと参加できないの?



そんなことないよ!合成音声ソフトであれば何を使っても大丈夫。
"The VOCALOID Collection"というイベント名ですが、VOCALOID以外の合成音声ソフトも使用した楽曲での参加も可能です。
合成音声ソフトには、主に以下のようなものがあります。
- VOCALOID
- 初音ミクNT
- Synthesizer V
- CeVIO AI
- UTAU
- VoiSona
- NEUTRINO 等
上記のような合成音声ソフトを使用した楽曲であれば参加が可能です。



逆に人間が歌ったもので参加したらダメなの?



大丈夫!実際に人間歌唱を含んでランキング対象になっていた曲もあるよ。
人間歌唱を含む曲であっても、「合成音声ソフトが主体となっている作品」である必要があります。
基準はわかりませんが、人間歌唱がメインとなっている楽曲の場合はランキング非対象曲になってしまう可能性もありますので、ご注意ください。
さまざまなランキング部門
ボカコレには以下のようなランキング部門があります。
- TOP100
-
誰でも参加可能な部門
- ルーキー
-
2年以内にボカロPデビューした方が参加できる部門
- REMIX
-
合成音声を主体とした楽曲のREMIXで参加できる部門



毎回ランキングはすごく盛り上がるよ!
ルーキーのみ経験年数による参加資格がありますが、他の部門ではルールを守れば誰でも参加可能です。
また、ボカコレ2025夏では新たに「エキシビション」というランキングのない部門が新設されました。


ボカコレへの参加方法





ネットのイベントって参加難しそうだよね。
ネット上で開催されるイベントと聞くと、
「手続きが難しそう」
「ちゃんと参加できているか不安になる」
といった気持ちになるかもしれません。
そういう僕も、複数回参加経験がありながら「間違えていないかな...?」と、毎回不安になります。



実際、間違えて投稿してランキング対象外になる人もいるよ...。
ここからは、ボカコレへの参加方法について詳しく解説します。
募集要項の確認
まずは、ボカコレの募集要項を確認し参加ルールを把握しましょう。
参加部門を問わず、ボカコレに参加する楽曲は次の条件を満たす必要があります。
- 自身が制作したオリジナル楽曲
- 合成音声ソフトが主体の作品
- 以前ニコニコ動画に投稿・公開した楽曲と完全一致していない楽曲



普通に新曲として作った楽曲であれば、難しい内容じゃないね。
また、参加する部門によって、タグと開始時間(動画を投稿する時間)が異なります。
いずれかを間違えてしまうとボカコレランキングの対象外となってしまうため、注意しましょう。



実際、間違えて投稿している人は割といるよ。
部門ごとの詳しい参加ルールや設定されている条件等については、また別の記事にまとめます。
楽曲制作〜エントリーまでの流れ
楽曲制作からエントリーまで、以下の流れで進めていきます。
自身のオリジナル楽曲を制作。
※合成音声を主体とした楽曲にすること
楽曲に合わせたMVとサムネイルを制作。
ニコニコ動画に楽曲を投稿。
募集要項を確認しながら動画情報を入力。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
STEP1:楽曲制作



何よりまずは楽曲制作からだね!
ボカコレに参加する楽曲は、合成音声ソフトを主体とし各部門ごとに設けられた参加ルールを守ればあとは自由です。



ジャンルや曲の長さも全て自由!好きなように作ろう。
また、公式サイトにはさまざまなボカロPによって提供されたstemデータが配布されています。
REMIXに参加する場合、利用規約を守りstemデータを活用したREMIX作品による参加も可能です。
STEP2:MV・サムネイルの制作



曲が完成したら、曲に合わせたMVとサムネを作ろう!
楽曲制作からMV制作まで全て行なっているボカロPもいますが、MVは動画師に依頼するという方も多くいます。
MVは作品としてのクオリティや魅力を大きく左右する重要な要素です。
腕のある動画師に依頼することでハイクオリティなMVができるだけでなく、楽曲制作のみに集中することができます。



じっくりと楽曲を仕上げられるね!
依頼にはお金がかかる場合がほとんどですが、本気でランクインを狙いたい場合はぜひ動画師への依頼も検討してみましょう。



ちなみに僕は妻が作ってくれているよ。



制作依頼とかあればお気軽に!
\1102の楽曲はこちら/
ボカロ界隈においては、
・動画制作者:動画師
・イラストレーター:絵師
・楽曲MIXをする人:MIX師
といった呼ばれ方がされます。
STEP3:楽曲投稿
楽曲とMVが完成したらニコニコ動画に投稿しましょう。
ジャンル・タグ・投稿時間が特に重要となり、いずれかを間違えて投稿してしまうとボカコレ参加曲の対象外となってしまいます。



特に時間を間違えている人はよく見るよ。



しっかり確認しないといけないね。
【図付き】ボカコレ投稿の流れ


次に、ボカコレ投稿の流れについて図付きで解説します。
ここで解説する画像の保存・SNSでの使用等は制限しません。
ご自由にお使いください。



アイコンを自分のに変えちゃってもいい!?



改変も付け加えも、何でも自由にやっちゃって!
※"画像の自作発言"はお控えください。
使用している図の画面は、
・使用OS:Mac
・使用ブラウザ:Google Chrome
によって表示されたものです。
他のOSやブラウザ、アプリを使用している場合は表示される画面が異なる場合がありますので、その点ご了承ください。
また、ニコニコ動画の「レベル18以上」で設定できると記載している箇所がありますが、これはプレミアム会員であればレベル関係なく設定可能です。
動画のアップロード
まずは「動画のアップロード」です。
この段階ではまだ動画は公開されないので、安心して手順通りに進めてください。


動画情報を入力する画面上部にある[動画のアップロード]タブに、進捗を表すプログレスバーが表示されています。
このバーが消えたらアップロード完了です。



アップロード中でも動画情報を入力できるよ。
動画情報の入力
次に「動画情報の入力」です。
動画情報の入力はとても重要で、間違えるとボカコレに参加できなくなる箇所もあります。
ごちゃついて少しわかりづらいですが、以下を参考に入力してください。



これを基本に、時間とタグを参加する部門のものに変えれば良いんだね。


実際に見かけた間違い
僕はこれまでのボカコレ参加で、以下のような間違いを実際に見かけました。



1回じゃなくて何回も見かけたよ...。
これらはよくある間違いだとも言えますので、投稿前にはしっかりと確認しましょう。
※エキシビションにランキングはないため、ボカコレ2025夏ルーキー参加曲を例にしています
- タグ間違い
-
例:❌ボカコレ2025夏ルーキー
⭕️ボカコレ2025夏ルーキー参加曲
- タグの参加年間違い
-
例:❌ボカコレ2024夏ルーキー参加曲
⭕️ボカコレ2025夏ルーキー参加曲
- 投稿日時間違い
-
例:❌2025年8月22日(金)0:00
⭕️2025年8月22日(金)19:00
- すぐに公開にチェック
-
「タイマー公開」にするつもりが「すぐに公開」にチェックをいれたまま投稿してしまい、そのままフライング投稿されてしまう。
- タグロックが外れている
-
タグは正確に入れてはいるものの、"タグロック"をしていないことでランキング対象外にされてしまう。
投稿日時の間違いは特に注意!
この中で、特に多いのは投稿日時間違いです。
動画投稿に慣れていないルーキーの方が、19時ではなく当日の0時に投稿してしまった例を何度も見てきました。



もちろんランキング対象外になっちゃう。



せっかくボカコレに向けて用意したのにそれは悲しすぎる。
タグロックも忘れずに
ボカコレ公式には「タグはロックして下さい」との記載があります。
投稿時に使用したタグは自動的に「タグロック」されますので、このロックは外さないようにしましょう。



タグロックを外すとどうなるの?



ランキング対象外になっちゃう上に、わるーい人がタグを削除できちゃう。



!!!
動画内容の確認・投稿
動画情報の入力ができたら、[投稿内容を確認]ボタンをクリックし、内容を確認しましょう。



まだ投稿はされないから、安心して押してね。


オレンジ枠で囲んである
・ジャンル
・タグ
・公開時間
これらをしっかり確認し、問題なければ[投稿する]をクリックしましょう。
これでボカコレへの動画投稿が完了です。



投稿した後から修正はできないの?



修正できるよ!もし間違いに気づいたらすぐに直そう。
投稿日時を間違えて公開してしまった場合は修正できないので、注意しましょう。
ボカコレの魅力


僕は2022秋〜2025夏のボカコレ、計6回(8曲)参加してきました。



何度も参加するほどの魅力があるってことだよね!



毎回参加曲用意するのは、ぶっちゃけ大変だけどね...。
多数のボカコレ経験のある僕から見た「ボカコレの魅力」についてご紹介します。
最大規模のイベント=再生されやすい
ボカコレは、最大規模を誇るボカロ楽曲投稿祭です。
非常に注目を集めるイベント、つまり「再生してもらいやすいイベント」です。



それは嬉しいね。
無名ボカロPの曲はそもそも聞かれない
ボカロPとして活動を始めるとき、



良い曲を作って有名になるぞ!
のように意気込んで始める方が多いと思います。
しかし、いざ始めてみると現実は厳しく、無名ボカロPの曲はそもそも再生されません。
1桁や2桁再生が当たり前、100回再生されれば良い方です。



いいねやマイリストもほとんどしてもらえない...。
全く再生してもらえず、そのままやめていくボカロPもたくさん見てきました。
ボカコレは再生されやすい!
ボカコレは多くのリスナーや楽曲投稿者が、参加曲を巡回しています。
また、ニコニコ代表である栗田穣崇さんのように、全曲チェッカーをという終わりの見えない戦いをしている方もいます。



全曲!?すごい...。



ボカコレを盛り上げようとしてくれる気持ちが凄く伝わってくるよね!!
このように視聴者層が多く、普段よりも再生されやすい環境が整っています。
つまり、無名ボカロPでも再生されるチャンスを広げることが可能です。
僕が参加した2025夏のエキシビションには約1000曲が投稿されました。
期間終了から半月ほど経った現時点 (2025年9月9日)では、
- 1桁再生は無し
- 9割が3桁再生以上
でした。
SNSと連動した盛り上がり
ボカコレはニコニコ動画内で開催されるイベントですが、SNS(主にX)と連動して大きな盛り上がりを見せます。



期間中、ボカロ界隈のXはお祭り状態。
自薦しやすい環境
ボカロ楽曲問わず、「自分の曲聞いて下さい!」とはなかなか言いづらいものです。
たまにXで「新曲出したので聴いてください!」といった営業DMが来ますが、正直なところ迷惑に感じます。



もちろん、それがダメなわけではないけどね。
しかしボカコレ期間中は



ボカコレに参加する方自薦募集!どんどんリプしてね。
といったポストを多くのボカロPやリスナーの方がしています。



こういったポストには100件以上リプが来ているよ。
こうした「自薦募集」のおかげで、ボカコレ期間中は自曲をアピールしやすい環境が整っています。
特に、まだ聴いてくれる人の少ない初心者や無名のうちは、積極的に自薦してみましょう。
※自薦は節度を守ろう
自薦は節度を守って行うことが大切です。
以下のような行動は相手に不快感を与えてしまう可能性があるため、注意しましょう。
- 同じ人に何度もリプを送る
- 募集をしていないポストに対して自薦する
(文章をしっかり読みましょう) - コピペ文章を不特定多数の人に送りつける
- 自薦して聴いてくれた方からのリプには反応をする



これが原因で晒されて、プチ炎上していた人もいるよ。
また、以下の行為はボカコレ公式で控えるようとに記載されています。
SNSやチャットツール等を利用して、投稿作品の内容に関係なく、ボカコレ投稿期間のニコニコ動画でのリアクションを交換条件としてお互いの作品にリアクションしあう行為
ボカコレ公式 運営からのお願いより引用
以下のページを読み、「ボカコレの本来の趣旨」を理解した上での自薦を行いましょう。
ボカロPとのつながりや交流
ボカコレ時、ボカロP間で自薦や感想を送り合ったりなどの交流がXで行われます。



そうした交流でつながりでできるんだね。
僕が日常的に交流しているボカロPの多くは、過去のボカコレでつながった人たちです。



7割くらいは多分ボカコレからだと思う。



とは言っても、一人でするボカロPにつながりって必要?
ボカロPの活動は1人で完結できますが、他のボカロPとつながることで以下のようなプラスの体験があります。
- 活動のモチベーションが高まる
- 他のボカロPの楽曲を聴いて刺激を受ける
- 自分の楽曲を聴いてもらえる機会が増える
- 自分の楽曲にアドバイスをもらえる
- コラボなど活動の幅が広がる



どれも1人だけだと得られない貴重な体験だね。



こうした交流で、創作活動の幅や楽しさが広がるよ。
さまざまな音楽に触れられる
これは僕が「ボカコレに参加して良かった!」と感じた一番大きなポイントです。
ボカロPが作る楽曲は「ボカロ」というジャンルに一括りにされることもありますが、中身をみると多彩な音楽が混在しています。
作り手の感性で変わるジャンル
ボカロ楽曲は、作り手の感性によってジャンルや音楽性が変わります。
僕がこれまでに複数回参加してきたボカコレでも、
・バンドサウンド
・EDM
・ジャズ
・歌謡曲
のような、さまざまなジャンルの音楽に触れることができました。



一度にこれだけのジャンルに触れられる音楽イベント、あまりないよね。



紅白歌合戦以上に多彩な音楽に触れられそうだね。
聴き手として世界が広がる
僕は元バンドマンです。
ボカロPを始めるまで聴いていた音楽の大半はロックやメタル、ハードロックといった"重たいバンドサウンド"が中心でした。
他ジャンルの曲も聴くことはありましたが、バンド曲のように「ギターフレーズや音がかっこいい」「このリズム最高」のように感じながら聴くことはありませんでした。



漠然と「なんとなく好き」で聴いていた気がする。
しかしボカコレに参加しさまざまな音楽ジャンルに触れるうちに、自分の好きな楽曲のジャンルや特徴・傾向が見えてきました。
主に、
・ダブステップ
・Future Bass
・Kawaii Future Bass
・Future Core
・Trap
といったジャンルです。



バンドサウンドとは正反対なEDM系のジャンルだね。
純粋なバンド大好きマンである僕が、"Seven Lions"や"ILLENIUM"等といった海外DJの楽曲を好んで聴く日がくるなんて思いもしませんでした。



ボカコレに参加していなかったら意識してEDMを聴くことはなかったと思う。
これらのジャンルに触れられたのは、間違いなくボカコレのおかげです。
そして当時"なんとなく好き"で聴いていた音楽が、実は「ドロップがかっこいい」「FXの使い方が好き」「キックの音色がかっこいい」と感じていたからだと、今ならわかります。
この体験は、僕の音楽に対する価値観や世界観を大きく広げてくれました。
圧倒的な楽曲数
ボカコレ2025夏には、作者の思いと技術を込た楽曲が、全部門合計で7000曲以上投稿されました。



1曲3分とすると...ざっと350時間!
この7000曲には多彩なジャンルが混在しており、プロ顔負けのハイクオリティな楽曲も紛れています。



それを発掘するのも楽しそう!
これだけの楽曲数があると、僕のように音楽の世界を広げることもできますし、逆に特定ジャンルの音楽を徹底的に浴びることもできます。



自薦募集で「○○系の音楽募集!」といった内容で投稿すると、たくさん聴けるよ。
これほど膨大な新曲を自由に聴くことができる、これもボカコレの大きな魅力ではないでしょうか。
まとめ
以上、ボカコレのイベント概要と参加方法、実際に参加して感じたボカコレの魅力についてでした。
ボカコレは、初心者からプロ・アマ問わず誰でも参加できるイベントです。
ただし、この記事で解説したように「正しい投稿」をしないとランキング対象外になってしまうので注意しましょう。



慣れないうちは投稿前に2〜3回確認することをおすすめするよ。
ボカロPを始めたばかりの方は、参加を迷われるかもしれません。
僕も初めてのボカコレは初心者ボカロPとして恐る恐る参加しましたが、「参加して良かった」と感じる魅力がたくさんありました。
初めはランキングを意識せず、まずは「とりあえず参加してみる」といった気楽な気持ちで参加してみてください。
僕自身、これからもボカコレには積極的に参加する予定です。
ぜひ一緒にイベントを楽しみましょう!